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米南部州、「モーセの十戒」の教室掲示を義務化 「違憲」批判も
米南部ルイジアナ州で旧約聖書の「モーセの十戒」を掲示するよう義務づける州法が成立。公立学校で宗教保守派とリベラル派の間で論争が巻き起こる。
州法は「モーセの十戒」を記したポスターや文書を全教室に掲示するよう求めており、保守派支持の州議会共和党が主導した。一方、リベラル派は憲法修正1条に違反するとして提訴の構え。
テキサスやオクラホマなど他の南部州でも同様の立法動きがある中、信教の自由と州法の調和を巡る議論が続く。
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米南部ルイジアナ州で19日、公立学校の教室に旧約聖書の「モーセの十戒」を掲示するよう義務づける州法が成立した。米国でこうした内容の州法が成立したのは初めて。旧約聖書はキリスト教やユダヤ教などの聖典で、宗教保守派が州法制定を後押ししていた。一方、特定の宗教の戒律を公教育の場で掲示することは「信教の自由」に反する可能性があり、リベラル派は州法の違憲性を訴えて提訴する構えだ。
「モーセの十戒」は、唯一神への信仰や父母を敬うこと、殺人や窃盗の禁止などを含む10の戒律だ。米メディアによると、州法は公立の小、中、高校で、来年1月1日までに「モーセの十戒」を記したポスターや額入りの文書を全教室に掲示するよう求めている。サイズも「幅11インチ(約28センチ)、長さ14インチ(約35・5センチ)以上」と定められている。
保守派の支援を受ける州議会共和党が法案策定を主導。ランドリー州知事(共和党)は19日の署名式典で「法の支配を尊重したいなら、最初の立法者から始めなければならない。それはモーセだ」と述べた。テキサス▽オクラホマ▽ミシシッピ▽サウスカロライナ――の南部4州でも、同様の立法の動きがあるという。
リベラル派は「信教の自由」を保障した憲法修正1条に違反すると主張しており、裁判で州法の無効化を目指す方針だ。【ワシントン秋山信一】