米財政赤字、移民増で圧縮へ 34年度までに140兆円 議会予算局

AI要約

米議会予算局(CBO)による最新の予算見通しでは、移民の急増により財政赤字が圧縮されるとの見方が示されている。

CBOの予測によると、移民増により、所得税収は増加し、2024-34年度では8970億ドルの圧縮が見込まれている。

移民問題は米国政治の重要な争点となり、不法入国者数が増加する中、税収増加や支出増などが予測されている。

 【ワシントン時事】米議会の超党派機関、議会予算局(CBO)は18日公表した最新の予算見通しで、移民の急増により所得税収などが増え、財政赤字が圧縮されるとの見方を示した。

 圧縮額は2024~34年度の合計で8970億ドル(約142兆円)に上るという。

 米南部国境では最近、メキシコを経由して米国入りを目指す不法越境者が急増。国民の間で治安悪化などへの不安が高まり、移民問題は11月の大統領選の重要争点に浮上している。

 CBOによると、2021~26年度の不法入国者などは、想定水準を870万人上回る見通し。移民の収入は当初、平均を下回るが、定着が進むにつれ増えていく傾向にある。

 移民増により、24~34年度は個人所得税や給与税で1兆1750億ドル(約186兆円)の増加が見込まれる。一方、健康保険加入に伴う税額控除といった社会保障費などの支出増は2780億ドル(約44兆円)にとどまるという。