米CBO、24年度財政赤字見通し27%上方修正-政府借り入れに警鐘

AI要約

超党派の米議会予算局(CBO)は、2024会計年度の米財政赤字予測を27%引き上げて約2兆ドルとした。

CBOが発表した最新予測によると、24年度には1兆9200億ドルの財政赤字が予測され、米国の財政状況が懸念されている。

経済予測の改訂や連邦債務残高の増加などアメリカの財政の深刻さが浮き彫りとなっている

(ブルームバーグ): 超党派の米議会予算局(CBO)は、2024会計年度(23年10月-24年9月)の米財政赤字予測を27%引き上げて約2兆ドル(約320兆円)とした。連邦政府借り入れが前例のない軌道に乗ることにあらためて警鐘を鳴らした。

18日に発表された最新予測によると、CBOは23年度に1兆6900億ドルだった財政赤字が24年度には1兆9200億ドルに達するとみている。新たな予測はCBOが2月に示した予想を4000億ドル余り上回った。バイデン政権の学生ローン救済措置に加え、ウクライナ支援を含む2月以降の追加拠出などが反映されている。

こうした財政見通しの土台となる経済予測は、今年の成長率とインフレ率の見通しを上方修正した。なお、米金融当局は25年第1四半期(1-3月)まで利下げを見送ると予想されている。2月の予測では24年半ばを見込んでいた。CBOの経済予測は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に先立つ5月初めにまとめられた。

国内総生産(GDP)に占める米財政赤字の割合は24年度に6.7%と拡大が見込まれる。2月時点では5.3%が予想されていた。23年は6.3%だった。

一方、欧州連合(EU)は財政赤字を3%以下に抑えることを指針としている。CBOによれば、米国は過去50年間の平均が3.7%

CBOは「GDPに占める財政赤字の割合は24-34年度に毎年、5.5%以上になる」とし、「少なくとも1930年以降、財政赤字が5年を超えて連続でこれほどの規模にとどまったことはない」と指摘した。

最新予測では、連邦債務残高が対GDP比で記録的な水準に向かっていることや利払い費増加が引き続き示された。今年度の利払いは国防費を上回る見通し。CBOは、今後10年間の財政赤字が計22兆1000億ドルと、2月の予測を2兆ドル強上回るとみている。

原題:CBO Lifts US 2024 Budget Gap Forecast by 27%, to $2 Trillion (1)(抜粋)