インド中銀総裁、拙速な緩和への転換戒め 物価目標達成に注力

AI要約

インド準備銀行(RBI、中央銀行)のダス総裁は、金融政策運営において物価上昇率を4%まで押し下げることに専念すべきだと強調し、急激な緩和路線に反対する姿勢を示した。

ダス氏は、冒険主義を避けつつ現行の政策コースを維持し、物価動向に警戒しながら適切に対応することが重要だと述べた。

また、インド経済の成長と安定には良好な要素が存在し、農村部の需要改善や外需の楽観的な見通しが示されていると説明した。

インド中銀総裁、拙速な緩和への転換戒め 物価目標達成に注力

Jaspreet Kalra

[ムンバイ 18日 ロイター] - インド準備銀行(RBI、中央銀行)のダス総裁は18日、金融政策運営では「冒険主義」を避け、物価上昇率を目標の4%まで着実に押し下げることに専念し続けるべきだと強調し、拙速な緩和路線への転換に反対する姿勢を示した。

「現時点で(政策)スタンスを変更すべきだとの声が再び出てきている。だがわれわれは物価上昇率がもう少し速いペースで減速するはずだとの明確な証拠を得たい。スタンス転換を話題にするのは時期尚早だろう」と語った。

さらに「いかなる形の冒険主義も回避しなければならない。(現状の)コースを維持し、警戒しながら適宜適切に対応する方が得策だ」と付け加えた。

RBIは今月まで8会合連続で政策金利を6.5%に据え置き、力強い経済成長のおかげで物価上昇率を中期的目標に収める作業に力を注ぐことができると説明している。

ダス氏は、情勢を甘く見る余地はないものの、足元の要素を踏まえると、インド経済の成長と安定にとって強い追い風が吹いていると指摘。以前はもたついていた農村部の需要も目に見えるほど改善し、今後も堅調を維持しそうだと予想した。外需についても楽観的で、インドの輸出にとって大きな支えになるという。

物価動向に関しては、上昇鈍化のペースは非常にゆっくりだとした上で、ディスインフレ過程の「最後の1マイル」がなかなか進まないと改めて分析した。