【ドイツ】独経済の成長率、4研究所が見通し引き上げ

AI要約

ドイツの主要な経済研究所が、今年の経済成長見通しを軒並み引き上げている。各研究所は、ドイツ経済が回復傾向にあるとみて、成長率見通しを上方修正した。

RWI経済研究所は国内総生産(GDP)成長率が0.4%になるとの予測を示し、25年の成長率は1.5%と予想している。

各研究所は、エネルギー価格や経済政策の不確実性が残る中でも、ドイツ経済が輸出と個人消費に支えられ徐々に回復していると見ている。

 ドイツの主要な経済研究所が、今年の経済成長見通しを軒並み引き上げている。RWI経済研究所は13日、2024年の国内総生産(GDP)成長率が0.4%になるとの予測を示した。前回予想の0.3%からわずかに上昇した。ハレ経済研究所(IWH)、ドイツ経済研究所(DIW)、キール世界経済研究所(IfW)もドイツ経済が回復傾向にあるとみて、見通しをやや上方修正した。

 RWIは「ドイツ経済は輸出と個人消費に支えられ、徐々に回復している」との見方を示した。エネルギー価格と経済政策の展開には不確実性が残るものの、この先の数四半期で、回復の勢いは増す可能性があると説明している。25年のGDP成長率は1.5%と予想。前回見通しでは1.2%と予測していた。

 IWHは13日、GDPが24年は0.3%拡大するとの見通しを示した。3月時点の0.2%から引き上げた。「ドイツ経済は依然として守りの態勢にあるが、景気後退が終了する最初の兆候が現れている」とコメントしている。ドイツで開幕したサッカーの欧州選手権については、経済効果は「存在しない」とみる。25年のGDP成長率は1.5%と予想し、前回予測を据え置いた。

 DIWも今年のGDP成長率を0.3%と予想している。3月時点ではゼロ成長との見通しを示していた。14日公表の報告書で、家庭の購買意欲は改善傾向にあると指摘。欧州中央銀行(ECB)が利下げサイクルに入ったことで、中期的に家計の貯蓄傾向が弱まり、消費に向かう可能性があると説明する。25年の成長率見通しは従来の1.2%からやや引き上げ、1.3%とした。

 IfWは今年のGDP成長率を4研究所の中で、最も低い0.2%と予想する。前回、春の予測では0.1%だった。「国内消費はこの先、改善に向かう可能性が高いが、企業の設備投資や住宅建設は当面低迷が続く」とみる。来年の成長率については、前回から0.1ポイント引き下げ、1.1%と予測している。