韓国、経常収支1年ぶりに赤字に転落…「外国人投資配当シーズン重なったため」

AI要約

韓国の4月の経常収支が1年ぶりに赤字に転落した。輸出好調が続いたが、外国人投資家に対する配当が増えエネルギー輸入の増加も影響した。韓国銀行の判断では、これは一時的な赤字で5月には黒字に戻る見込み。

経常収支は4月に2億9000万ドルの赤字と集計されたが、累積では前年を上回る165億5000万ドルの黒字。商品収支は黒字が続くものの、輸入が急増し黒字規模を引き下げた。

外国人投資家に対する配当支払いやエネルギー輸入の増加により、第一次所得収支は4月に33億7000万ドルの赤字に転じた。また、サービス収支も赤字だが赤字幅は縮小し、知的財産権収支も改善傾向。

韓国の4月の経常収支が1年ぶりに赤字に転落した。輸出好調が続いたが、外国人投資家に対する配当が増えエネルギー輸入なども増加した影響だ。ただこれは季節的要因にともなう一時的な赤字で、5月には再び黒字傾向に戻るというのが韓国銀行の判断だ。

韓国銀行が11日に発表した国際収支(速報値)によると、4月の経常収支は2億9000万ドルの赤字と集計された。月別で経常収支が赤字を記録したのは昨年4月の13億7000万ドル以降で初めてだ。ただ今年1~4月の累積経常収支は165億5000万ドルで前年同期の73億7000万ドルの赤字より大きく改善された。

項目別では商品収支が51億1000万ドルで昨年4月から13カ月連続の黒字となった。だが黒字幅は3月の80億9000万ドルと比較して30億ドルほど減った。

輸出は昨年4月より18%増え7カ月連続増加した。半導体(54.5%)が輸出増加傾向を牽引する中で、石油製品(18.7%)、乗用車(11.4%)なども好調を見せた。ただこれまで減った輸入が1年前より9.0%増え黒字規模を引き下げた。14カ月ぶりの増加転換だ。国際原油価格上昇、石油会社の需要増加などでガス(21.9%)や原油(17.8%)をはじめとするエネルギー輸入増加傾向が全般的な輸入反騰を率いた。

第一次所得収支は3月の18億3000万ドルの黒字から4月は33億7000万ドルの赤字に転じた。昨年11月から5カ月ぶりの赤字だ。韓国企業が4月の配当シーズンに合わせて外国人投資家に大規模決算配当金を支給したのが作用した。これに伴い、配当所得収支は35億8000万ドルの赤字となった。2021年4月の44億8000万ドルの赤字から3年ぶりの赤字規模となった。

サービス収支は16億6000万ドルの赤字を記録した。赤字幅は3月の24億3000万ドルより減少した。旅行収支が8億2000万ドルの赤字で依然としてマイナスだが、東南アジアや中国からの観光客を中心に旅行収入が増え赤字規模は小幅に縮小した。

知的財産権収支赤字も3億1000万ドルで前月より減った。特許権使用料収入が増えたのに対し支払いは減少したためだ。

韓国銀行は今回の経常収支赤字を季節的要因にともなう一時的赤字と評価した。5月には通関基準で貿易収支が大きく増えた上に4月の決算配当支払いの影響も消えただけに経常収支が相当幅の黒字を示すだろうという説明だ。