「長さ2メートル、体重150キロで網を破る」韓国でクラゲ注意報

AI要約

釜山沿岸で操業する漁村関係者は、150キロの巨大なエチゼンクラゲの問題について警鐘を鳴らしている。

気候変動による影響でクラゲ注意報が早めに発令され、有毒なミズクラゲが増加していることが懸念されている。

釜山市では海水浴場でのクラゲ被害を予防するため、様々な対策が講じられている。

「長さ2メートル、体重150キロで網を破る」韓国でクラゲ注意報

「100キロを超えるクラゲが何匹か引っかかると、くらっとします」

釜山(プサン)沿岸で操業する機張(キジャン)漁村系関係者は10日、電話インタビューで「重さ150キロ、長さ2メートルまで育つエチゼンクラゲは引き揚げることも難しく、網が破れることも多い」と話した。関係者は「クラゲが網に混ざると分類作業に2倍以上の時間がかかる。ところが、クラゲに押しつぶされたり刺されたりしてうろこが傷ついた魚は商品価値が落ちて売ることもできない」として「ますますクラゲが増えて頭が痛い」と語った。

猛暑が早く訪れ、クラゲも猛威を振るっている。11日、国立水産科学院と釜山市などによると、先月27日慶尚南道(キョンサンナムド)と全羅南道(チョルラナムド)などの南海岸には、今年に入って初めてクラゲ注意報が下された。この海域で毒性の弱いミズクラゲが水中100平方メートル当たり5匹以上観測されたからだ。

国立水産科学によると、この注意報は通常6月末、7月初めに発令される。昨年より10日以上繰り上げられ、歴代慶尚南道と全羅南道の南海岸に下されたクラゲ注意報の中で最も早い時期に発令された。国立水産科学院のユン・ソクヒョン研究官は「ミズクラゲは韓国の沿岸に自生する。幼生であるポリプの形で生きる。毎年2月ごろに目覚めるが、気候変動による水温の上昇がクラゲの速い成長と増殖に影響を与えたものとみられる」と説明した。

エチゼンクラゲ注意報も今月末ごろ、南海沿岸と西海(ソヘ)南部沿岸に発令される見通しだ。ミズクラゲとエチゼンクラゲは、いずれも海洋生態系法が規定する有害海洋生物に当たる。ミズクラゲは慶尚北道(キョンサンブクド)と全羅南道の沿岸で、エチゼンクラゲは慶尚北道と江原道(カンウォンド)で主に猛威を振るう。毒性の強いエチゼンクラゲに刺されると、痛みや蕁麻疹などの症状が現れ、ひどい場合は死亡することもある。

国立水産科学院によると、エチゼンクラゲは東シナ海から発源し、済州(チェジュ)を経て韓国の海岸に流入した後、東海(トンヘ、日本名・日本海)を通じて抜け出る。国立水産科学院がエチゼンクラゲの流入量などをモニタリングしているが、中国で発源するだけに発生量の増減と原因などを正確に把握することは難しい。今年の調査で国立水産科学院は、中国発のエチゼンクラゲの個体数が多いことを把握した。韓国沿岸に流入するクラゲが増える可能性があるという意味だ。しかし、明確なコントロール方法を見つけることは難しい。ユン研究官は「流入に影響を与える海流の流れなどは人力でコントロールすることができない」として「カメやカワハギなど一部の魚種がクラゲを食べる場面が目撃されたことがある。しかし、これらも他の餌が豊富ならクラゲを食べない。生態系で天敵がいない」と説明した。

漁民はもちろん、海水浴場のある自治体もクラゲの増加傾向に神経を尖らせている。クラゲが海水浴場に流れ込んで避暑客が刺される事故が増えているためだ。釜山の海水浴場7カ所で起きたクラゲに刺される被害通報は2019年109件から翌年680件に大きく増えた。2022年には742件まで増えた。そこで開場期間、海辺に常駐する釜山消防災難本部隊員などがクラゲに刺された患者を処置し、刺される事故を予防するためにクラゲを捕まえたりもする。事故の通報件数は昨年452件に減ったが、釜山海水浴場の訪問客が2022年に比べて15%ほど減ったのが影響を与えたものとみられる。

来月、海水浴場の本格的なオープンを控え、釜山市は防止策作りに没頭している。海雲台(ヘウンデ)・松亭(ソンジョン)海水浴場や松島(ソンド)海水浴場には開場に先立ち水中にクラゲ遮断幕が設置される予定だ。多大浦(タデポ)海水浴場などではクラゲ注意報の時、捕獲網をつけた除去船舶が出動し、クラゲを回収することにした。日光(イルグァン)・林浪(イムラン)海水浴場のある機張郡は漁民が獲ってきたクラゲを買い入れる事業を進め捕獲を勧めている。釜山市関係者は「官公船10隻と漁船7隻をはじめ、カッター・すくい網などクラゲ駆除装備を投入する予定」とし「モニタリングを強化し、海水浴場のクラゲ被害予防に格別に取り組む」と明らかにした。