ノルマンディー上陸80年、アメリカとヨーロッパが対ロシアで結束アピール…記念式典にゼレンスキー氏招待

AI要約

第2次大戦で連合軍がナチス・ドイツに勝利する転機となったノルマンディー上陸作戦のDデーから80年が経過し、記念式典が開かれた。米欧の首脳やウクライナ大統領が参加し、ウクライナ支援への結束がアピールされた。

オマハ・ビーチでのメイン式典では、過去の戦争参加者やバイデン大統領、マクロン大統領らが集まった。ロシアのプーチン大統領は招待されなかった。

バイデン氏やウクライナ大統領は、ロシアのウクライナ侵攻に抵抗し、支援を続ける意向を示した。マクロン大統領もウクライナ支援を強化する方針で会談を行う予定。

 【オマハ・ビーチ(フランス北西部)=梁田真樹子】第2次大戦で連合軍がナチス・ドイツに勝利する転機となったノルマンディー上陸作戦のDデー(作戦決行日)から80年となる6日、フランス北西部で記念式典が開かれた。米欧の首脳をはじめ、ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も招き、同国を支援する米欧の結束をアピールした。

 関連式典は5~7日に各地で開催され、五つの上陸地点のうち最大の激戦地となったオマハ・ビーチで6日に行われたメイン式典には上陸作戦に参加した退役軍人のほか、米国のバイデン大統領やフランスのマクロン大統領、当時の枢軸国からはドイツのショルツ首相らが出席した。連合軍側でナチス・ドイツと戦ったロシアのプーチン大統領は招待されなかった。

 バイデン氏はメイン式典に先立つ米国主催の式典で演説し、「ウクライナが(ロシアに)征服されれば欧州全体が脅かされる。独裁者たちにひれ伏すことは考えられない」と訴え、ロシアの侵略に抵抗するウクライナへの支援を続ける考えを強調した。ゼレンスキー氏は6日、X(旧ツイッター)に「連合軍は欧州の自由を守り、ウクライナも今そうしている」と投稿した。

 マクロン氏は7日、パリでゼレンスキー氏と会談し、軍事、経済両面の支援強化を協議する予定だ。マクロン氏は今年2月、ウクライナへの部隊派遣を「排除されない」と発言した。ウクライナ軍を指導するため仏軍から要員を派遣する可能性が取りざたされており、発言が注目されている。

 マクロン氏は8日にはバイデン氏とパリで会談し、ウクライナ支援での協調を確認する見通しだ。

 上陸作戦は1944年6月6日に始まった。米英を中心とする連合軍がナチス・ドイツ占領下のノルマンディーに進攻。同日だけで15万人超が上陸したが、多くの死傷者を出した。独軍は徐々に後退を強いられ、45年5月の降伏につながった。