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殺人、愛憎、奴隷…スキャンダルに彩られた英国貴族のカントリーハウス4選、どれも見学可
ウィルトンハウスは、英国のカントリーハウスであり、恋愛沙汰や殺人事件の舞台として知られている。
第7代ペンブルック伯爵のフィリップ・ハーバートによる暴力事件と殺人の歴史が残る。
ウィルトンハウスは、ハリウッドの映画やテレビドラマのロケ地としても使用されている。
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大英帝国の盛衰を経て、21世紀に入った今も、英国のカントリーハウスは貴族社会と富のエレガントな象徴であり続けている。その魅力は、伝説的な建築家のイニゴー・ジョーンズや造園家のケイパビリティ・ブラウンによって作り出された美しさだけではない。社会的および政治的な歴史、特にそこに住んでいた一族の歴史もまた、人々の興味を引き付けた。広間や寝室では、映画やテレビドラマも顔負けの陰謀や密会が繰り広げられていたという、そんなカントリーハウス4選を紹介しよう。
英国を代表するパッラーディオ建築(ヨーロッパの建築様式の一つ)とされているウィルトンハウスは、恋愛沙汰の舞台になっただけでなく、実は殺人事件とも縁があるお屋敷だ。
第7代ペンブルック伯爵のフィリップ・ハーバート(1652~1683年)は、かんしゃく持ちで有名で、複数の暴力事件を起こし、殺人にも関わっていたとされる。1度は、自分の裁判で陪審員長を務めていた人物を本人の剣で刺し殺し、さらに別の男性にも暴力をふるい、死亡させた。
「7代目に反対しようという者はありませんでした」と話すのは、英国にある1600の歴史建造物を代表する非営利団体「ヒストリックハウス」のベン・コーウェル氏だ。ハーバートは、世襲貴族としての地位と特権のおかげで処罰を逃れた。ちなみにハーバートはウィルトンハウスで52頭のマスチフと30頭のグレイハウンド、おまけにライオンを1頭飼っていた。
今世紀に入って、ウィルトンハウスはハリウッドに進出した。1647年にイニゴー・ジョーンズとジョン・ウェブによって設計された美しい内装や印象深い南向きの外観は、テレビドラマのロケにも使用されている。コーウェル氏が「実に見事」と表現する左右対称の部屋「ダブル・キューブ・ルーム」は、ネットフリックスのドラマ「ブリジャートン家」で、シャーロット王妃の王座が置かれた部屋として登場する。