韓国「SKグループ」会長が泥沼離婚訴訟で完敗…韓国離婚訴訟史上最高の賠償金額と、財閥家の「政経癒着」が明らかに

AI要約

韓国No.2の財閥「SKグループ」が揺れている。崔泰源SK会長の離婚訴訟の2審判決で、約1兆3800億ウォンの財産分与が命じられた。崔会長の不適切な行動や政経癒着が公に認められたことで企業イメージが損なわれている。

経営者の崔泰源会長と盧素榮氏との離婚訴訟の経緯、1審からの訴え、2審で下された史上最高金額の判決について説明がある。

同様の韓国の財閥家の離婚事例として、サムスン電子会長や新羅ホテル代表の離婚訴訟の賠償額などが取り上げられている。

韓国「SKグループ」会長が泥沼離婚訴訟で完敗…韓国離婚訴訟史上最高の賠償金額と、財閥家の「政経癒着」が明らかに

 韓国No.2の財閥「SKグループ」が揺れている。

 崔泰源(チェ・テウォン)SK会長の離婚訴訟の2審判決で、約1兆3800億ウォンの財産分与が命じられたのと同時に、崔会長のこれまでの不適切な行動に対する裁判部の公開叱責、また、これまでは噂に過ぎなかった「政経癒着」を公式に認める主文が発表された。SKグループはオーナーリスクによって企業イメージ失墜を憂慮すべき境遇に置かれてしまったのだ。

 3代目経営者の崔泰源会長は1988年、当時次期大統領の最有力候補だった盧泰愚(ノ・テウ)氏の長女、盧素榮(ノ・ソヨン)氏と結婚し、「世紀のカップル」として世間の注目を集めた。

 2人の結婚後、「鮮京(ソンギョン=現在のSKグループ)」は精油事業権と移動通信事業権などを獲得するなど、勢いに乗って急成長していった。そのため、一部では「政略結婚」といううわさもあったが、両者は米国留学時代に出会って相手の身分も知らないまま恋に落ちたと主張した。

 以後、2人は1男2女を置いて家庭を維持してきたが、韓国で姦通罪が廃止された2015年、崔会長は某日刊紙に手紙を送り、「自分には別に愛する女性がいて、彼女との間に子供もいる」と告白、離婚を暗示した。

 2017年7月、崔会長のほうから離婚調停を申請し、本格的な離婚手続きに入った。盧素榮氏は頑強に離婚を拒否したが、2019年12月に反訴に入る。盧氏は崔会長に慰謝料3億ウォンと崔会長の持分のSK株式の42%(当時、約1兆3700億ウォン)の財産分与を要求した。

 22年12月の1審判決では「崔会長のSK株式は先代から受け継いだもので、盧氏が財産形成と価値に寄与したとは見難い」として、「慰謝料1億ウォンと現金665億ウォンの支払い」を命じた。双方ともこの判決を不服として抗告審が進行される。この過程で盧氏は財産分与の額を2兆ウォンに高めた。

 そして24年5月30日に下された2審判決では、1審の約20倍に当たる「20億ウォンの慰謝料と1兆3808億ウォンの財産分与」命令が下された。裁判部は崔会長の全財産を4兆ウォン程とみて、その35%相当を盧氏に支払うよう命じたのだ。これは、韓国の離婚訴訟史上最高金額であり、韓国社会の離婚に対するパラダイムを変えるに違いない「世紀の判決」であった。

 これまでの韓国の離婚訴訟で、財産分与額を含めて最高の賠償額が出たケースは、2004年に行われたゲーム会社「NCソフト」のキム・テクジン代表の離婚判決で、キム氏は妻に会社の持株の1.76%(当時約300億ウォン)を支払った。NCソフトは韓国ゲーム業界のビッグ5の一角で、金氏の現在の資産規模は3兆ウォンに達すると言われている。

 サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長も2009年、テサン・グループ(韓国財界順位34位)の長女のイム・セリョン氏と離婚調停を経て離婚した。当時の慰謝料について世間では数百億ウォン~1千億ウォンまで噂されているが、正確な金額は公開されていない。

 2019年、サムスン電子の李在鎔会長の妹である新羅ホテルの李富眞(イ・ブジン)代表の離婚訴訟の賠償額は141億ウォンだった。当時、李代表の資産は2兆ウォンと推定され、夫はその半分を要求したが、裁判所は「株式は分割対象にならない」として141億ウォンだけを認めた。

 直近の財閥家の離婚訴訟は、「ナッツ姫」こと大韓航空の趙顯娥(チョ・ヒョナ)副社長のケースで、趙氏は昨年11月に配偶者に13億ウォンを支給せよとの判決を受けた。