# 美術史

『虎に翼』花岡奈津子のチョコレートの絵はリアルなのか? 美術史家・吉良智子さんに当時の女性画家について聞く
2024.06.17

『虎に翼』花岡奈津子のチョコレートの絵はリアルなのか? 美術史家・吉良智子さんに当時の女性画家について聞く

朝ドラ『虎に翼』が大人気だ。基本的には法曹界を舞台にしながら、 “職業婦人”として、また主婦として忙しく働く女性たちにスポットが当てた本作は、現代の視聴者に気づきや驚き、共感などを持って受け止められている。法曹界を舞台にドラマが進展するなか、物語はすでに戦後に入った。主人公・寅子

書評:「普通にラッセンが好き」と言えない現代美術界へ。原田裕規『評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家』
2024.06.07

書評:「普通にラッセンが好き」と言えない現代美術界へ。原田裕規『評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家』

「普通にラッセンが好き」と言えない現代美術界へ 業界の話題をさらった『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013)の刊行より早10年。クリスチャン・ラッセンとその周縁の文化現象を論じた評伝が「ラッセン本2」として上梓された。10年というのは受容の地平が変動するに十分

書評:「日本美術史」を書き換える100年単位の挑戦。『この国(近代日本)の芸術──〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』
2024.06.06

書評:「日本美術史」を書き換える100年単位の挑戦。『この国(近代日本)の芸術──〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』

「日本美術史」を書き換える100年単位の挑戦 2020年1月、イェール大学で「西洋美術史概説」の授業が廃止されるというニュースが話題を呼んだ。「白人、異性愛者、ヨーロッパ人、男性の芸術家の作品ばかり」の内容に対して当惑する学生たちの声に応えた結果だ。 日本美術史もま

ブームなぜ起きた? 東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」展
2024.05.30

ブームなぜ起きた? 東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」展

 ハニワや土偶ブームはなぜ起こったか、どのように描かれてきたか。その背景に迫る「ハニワと土偶の近代」展(毎日新聞社など主催)の開催概要が30日、会場の東京国立近代美術館(東京都千代田区)で発表された。会期は10月1日~12月22日。担当する花井久穂・主任研究員は「(ハニワや土偶が)芸術として語

ゴッホが描いたのは、9月28日21時45分頃の北斗七星だった…天文学による“新しい解明”
2024.05.20

ゴッホが描いたのは、9月28日21時45分頃の北斗七星だった…天文学による“新しい解明”

 まだ20代の頃、初めてニューヨークに行った時に真っ先に向かったのが近代美術館だった。目的はゴッホの「星月夜」。美術には疎かったので、他の作家の作品には目もくれず、「星月夜」だけを目指した。天文学を学び始めた学生であった私は、この作品の尋常ならざる星や月の描写に衝撃を覚え、ともかく本物を目にし