# 尊厳

社説:着床前診断の拡大 命の選別巡る国民的議論を
2024.09.15

社説:着床前診断の拡大 命の選別巡る国民的議論を

 重い遺伝性の病気の有無を、体外受精した受精卵の段階で調べる「着床前診断」の対象が広がっている。「子どもに病気を遺伝させたくない」との願いに応える形とはいえ、出生を左右する以上、社会的な合意を踏まえた慎重さが求められる。 日本産科婦人科学会が2023年の実施状況を発表した。72件

「死んでいい命はない」vs. 「苦しむくらいなら死なせてくれ」
2024.09.15

「死んでいい命はない」vs. 「苦しむくらいなら死なせてくれ」

老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。世の中にはそれを肯定する言

韓国「尊厳死」を求める憲法訴訟…自己決定権と家族の幸福追求権が争点に
2024.09.12

韓国「尊厳死」を求める憲法訴訟…自己決定権と家族の幸福追求権が争点に

【09月12日 KOREA WAVE】韓国で「尊厳死」制度をめぐる議論が再燃している。特定の病気を抱える患者が「自ら命を終える自己決定権を認めてほしい」として、尊厳死に関する立法が不在であることに対する憲法訴訟を提起した。憲法裁判所は、韓国で尊厳死が法制化されていないことに対する判断を迫られて

「尊厳死」求めて旅立った韓国人たち【寄稿】
2024.09.08

「尊厳死」求めて旅立った韓国人たち【寄稿】

 2022年6月に「ホスピス・緩和医療および臨終過程にある患者の延命医療決定に関する法律」(延命医療決定法)の改正案として発議されたが、期限超過で廃案となった「助力尊厳死に関する法律案」(助力尊厳死法案)が、7月5日に独立法案として発議されると、これまで静かだった尊厳死論争に再び火がついた。安

『虎に翼』朝ドラが同性婚や夫婦別姓を描く意味。マイノリティは社会的意義のために存在しているわけじゃない【横川良明の『虎に翼』隔週レビュー21•22週】
2024.08.31

『虎に翼』朝ドラが同性婚や夫婦別姓を描く意味。マイノリティは社会的意義のために存在しているわけじゃない【横川良明の『虎に翼』隔週レビュー21•22週】

「僕らだけいつも理由を求められる」この2週間、『虎に翼』を観ていて、いちばん心に残った台詞はこれでした。轟(戸塚純貴)の知り合いである秋田(水越とものり)と千葉(ニクまろ)の同性カップル。彼らに同性に対する恋愛感情を自覚したのはいつか寅子(伊藤沙莉)が尋ねたときに、千葉がそう答え

夫は家にいるのが好きな人…その家で自然体で死んでいければいい【老親・家族 在宅での看取り方】
2024.08.21

夫は家にいるのが好きな人…その家で自然体で死んでいければいい【老親・家族 在宅での看取り方】

「昨日血液を採ってもらって治療はお任せしますと言いましたが、苦しみをなくすような感じでいいので、改めて延命につながる治療はしない方向でお願いします」 在宅医療を開始してしばらくしたある日、きっぱりと尊厳死の希望を口にしたのは、パーキンソン病を患う83歳の男性の奥さまでした。彼女は

AIに最期を任せれば「尊厳死」が可能になるだろうか
2024.08.06

AIに最期を任せれば「尊厳死」が可能になるだろうか

これまで人間固有の特徴とされてきた言語・思考能力を機械が備えるようになりました。生成人工知能(AI)の波が押し寄せってくる中、個人と社会はどのように対応すべきでしょうか。 尊厳死を選ぶのにAIが有用な道具になり得るだろうか。 超高齢化社会への進入を目前に控えた韓国社

国家という怪物相手に違憲訴訟に素手で挑む(コラム) 「差別しない権利」の確立を求めて
2024.08.05

国家という怪物相手に違憲訴訟に素手で挑む(コラム) 「差別しない権利」の確立を求めて

 日本社会では、すべて人は出生時に選別される。正統か否かと。女性は出産によって、自分の子どもの選別をさせられる。子どもの「父」の存在は、国家によって決められる。戸籍法制度の施行は「一律に」と徹底され、当事者の不同意を国家は許さない。戦前の民法・戸籍法が踏襲され、母の身分、正妻か否かで子どもの身

教諭、児童を椅子から落とす 須賀川市教委「体罰の認識ない」
2024.08.01

教諭、児童を椅子から落とす 須賀川市教委「体罰の認識ない」

 福島県須賀川市の小学校に通っていた少年が教諭に服を引っ張られ、椅子から落とされるなどの行為を受けていたことが31日、関係者への取材で分かった。保護者の指摘を受けて学校は調査したが、市教委は「体罰の認識はないが、行き過ぎた指導があった」と釈明。保護者は納得できず市教委に再調査を依頼するも受け入

旧優生保護法の教訓踏まえると首相
2024.07.29

旧優生保護法の教訓踏まえると首相

 岸田首相は障害者差別根絶に向けた対策推進本部会合で「旧優生保護法に基づく施策が障害者の尊厳をじゅうりんし、苦難と苦痛を強いてきた重い事実と教訓を踏まえなければならない」と述べた。

断食通じて迎えた「尊厳ある死」…母親の「死の授業」【レビュー】
2024.07.28

断食通じて迎えた「尊厳ある死」…母親の「死の授業」【レビュー】

 『断食尊厳死』は、台湾で小脳失調症という難病の診断を受けて83歳のときに「断食尊厳死」を決意した母親に、医師である娘の畢柳鶯氏が臨終まで寄り添い、その過程を記録した本だ。小脳失調症にかかると、運動を調節する小脳が徐々に機能を喪失し、末期には歩けなくなって寝たきり生活をすることになり、四肢が拘

『燕は戻ってこない』最終話の後も物語は続いていく 石橋静河が“飛び立つ”結末に寄せて
2024.07.04

『燕は戻ってこない』最終話の後も物語は続いていく 石橋静河が“飛び立つ”結末に寄せて

「心が叫んでる。踏みにじられるな。奪われるな。人並みになりたいんじゃない。私は……私でありたい」 『燕は戻ってこない』(NHK総合)最終話において、主人公・リキ(石橋静河)はそう言った。桐野夏生による原作(集英社)にないその台詞がどこまでも心に響いた。「人並みの幸せ」を求めて困窮

注意されても、酒もタバコもやめなくていい…和田秀樹が「医者の言いなりでは人生を損する」と説く理由
2024.06.29

注意されても、酒もタバコもやめなくていい…和田秀樹が「医者の言いなりでは人生を損する」と説く理由

悔いのない人生を送るにはどうすればいいのか。医師の和田秀樹さんは「大切なのは『どのように生きるか』を自分で決めることだ。お酒やタバコをやめるかどうかも、医者の言いなりになるのではなく、自分の本音と向き合って決めたほうがいい」という――。 ※本稿は、和田秀樹『本当の人生 人生後半は

「安楽死リスト」の犬たちを救うため...家族に別れを告げた女性の「終わりなき旅」
2024.06.27

「安楽死リスト」の犬たちを救うため...家族に別れを告げた女性の「終わりなき旅」

荷物をまとめ、友人や家族に別れを告げ、保護犬を救う旅に出る──それは簡単な決断ではなかった。もともと動物好きだったが、私の情熱に火を付けたのは初めてシェルター(一時保護施設)を訪れたときの体験だった。何の罪もない動物たちを助けるため、もっと何かできるはずだという思いが頭にこびりつ

訓練中に消防士死亡の柏崎市消防 再発防止策踏まえ水難救助訓練を再開「万全な安全管理体制を」【新潟】
2024.06.11

訓練中に消防士死亡の柏崎市消防 再発防止策踏まえ水難救助訓練を再開「万全な安全管理体制を」【新潟】

去年10月、新潟県柏崎市で水難救助訓練中に男性消防士が溺れ、死亡する事故がありました。柏崎市消防本部は第三者委員会の報告書にまとめられた再発防止策を踏まえ、6月11日、約半年ぶりに訓練を再開しました。亡くなった男性消防士に黙祷を捧げて始まった11日の訓練。【柏崎市消

<虎に翼>「大きなお世話」 復活の寅子、神保教授に反論! 「お帰りなさい」「よく言った!」と視聴者拍手
2024.06.07

<虎に翼>「大きなお世話」 復活の寅子、神保教授に反論! 「お帰りなさい」「よく言った!」と視聴者拍手

 伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第50回が、6月7日に放送され、立ち上がった寅子(伊藤さん)の主張に、視聴者から拍手がわき起こった。 第50回では、穂高(小林薫さん)は法の道へ導いて不幸にしたと寅子に謝罪し、新しい仕

中国軍事演習は「台湾人を恫喝」、謝代表が非難 「火の中」発言の大使は「大変失礼」
2024.05.24

中国軍事演習は「台湾人を恫喝」、謝代表が非難 「火の中」発言の大使は「大変失礼」

中国軍が台湾を取り囲む形の大規模な軍事演習を行ったことを受け、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は24日、臨時の記者会見を開いた。謝長廷代表は「中国の横暴な行動には全く正当性がなく、非難するとともに遺憾の意を表する」との声明を発表した。謝氏は声明で、中国の軍事演習は「台湾の人

終盤突入し戦略変化 対話重視 熱意伝える 票掘り起こしへ新政策も【静岡県知事選】
2024.05.21

終盤突入し戦略変化 対話重視 熱意伝える 票掘り起こしへ新政策も【静岡県知事選】

 知事選が26日の投開票に向けて終盤に突入する中、各候補者は街頭演説中心から有権者とふれ合える活動を増やしたり、新たな政策を打ち出したりするなど、徐々に戦略や主張を変化させて票の掘り起こしを図っている。同じテーマを集中的に扱い、浸透を目指す候補者もいて、戦略にも違いが見える。 共