井上尚弥は「弱さを見せていない」 南米メディアが“ウシクのPFP1位”に反論「十分な実績を残していない」

AI要約

世界最強のボクサー井上尚弥への評価が再燃。4団体統一戦での歴史的な勝利から、PFPランキングにおける順位変動まで、議論は続く。

ヘビー級でのウシクの快挙が井上の順位変動につながり、議論を呼んでいる。海外メディアの評価も分かれており、今後の展開が注目される。

クロフォードやイノウエなど他の有力選手の存在もあり、井上が最強と評価されるかは未知数。ボクシング界の様々な要素が評価に影響している。

井上尚弥は「弱さを見せていない」 南米メディアが“ウシクのPFP1位”に反論「十分な実績を残していない」

 井上尚弥(大橋)は、世界最強か否か。各国メディアで日本が生んだ“モンスター”の真価を巡る議論が白熱している。

 以前から繰り返されてきた論争を再燃させるキッカケとなったのは、今月18日に行われたボクシングのヘビー級世界4団体統一戦だ。この試合では、WBA・IBF・WBO統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)がWBC王者タイソン・フューリー(英国)を撃破。史上3人目となる2階級での4団体統一を果たすとともに、ヘビー級史上初の世界4団体統一を達成した。

 文字通り歴史的な王者の誕生に世界も沸いた。そして、「最も価値がある」とされる米老舗誌『The RING』の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」も一変。今月18日に公表された最新順位では、約10日前に1位となったばかりの井上が2位となり、ウシクを「世界最強」と評価した。

 群雄割拠のヘビー級での“史上初”の快挙だけに必然の結果ではある。しかし、まるで予定調和のようにあっさりと井上の順位が変動する事態に異を唱える識者も少なくない。コロンビアのニュースサイト『Buenaventura en Linea』は、「歴史的に偉大なファイターとしての地位を確立した」とウシクを評価。そのうえで、「テレンス・クロフォード(米国)とナオヤ・イノウエを追い抜くのに十分だったか? それはない」と断言した。

 同メディアはウシクがヘビー級にいることで「恩恵を受けている」と指摘。そのうえで、クロフォードはエロール・スペンスJr.(米国)を倒し、ナオヤ・イノウエはダウンから立ち上がってルイス・ネリ(メキシコ)を破った時に、ウシクの歴史的な勝利と同じくらい驚かされた」とし、「才能豊かな中級と軽量級のスター選手たちも弱さを見せていない」と訴えた。

 さらに「ヘビー級では史上最高の1人」とウシクを称える同メディアだが、「我々は彼の功績をおとしめることを意図してはない。将来的に殿堂入りする2人(クロフォードと井上)を超える十分な実績を残していないと考える」とも論じた。

 すでに海外メディアでありとあらゆる評価が下されているPFP。その白熱の様相を見る限り、しばらく議論は続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]