【日本ダービー】(6)コスモキュランダ 加藤士師“親子制覇”に挑む「小さい頃から一番勝ちたいレース」

AI要約

今年のダービーには6人の初出走調教師が参加する。ダービー初出走Vは過去11人が達成しており、17年ぶりに12人目の記録が更新される可能性がある。

加藤士師は競馬界に父の足跡を踏みたいという思いで入り、今年6年目の開業で初のダービー出走が実現した。競馬が生まれ故郷である父の立派な姿とともに加藤士師の原点でもあるレース。

加藤士師は皐月賞2着のコスモキュランダを送り込み、残りの調教師人生でもチャンスがない馬として今回のレースに挑む。悲願の親子制覇にかける決意を強く持っている。

【日本ダービー】(6)コスモキュランダ 加藤士師“親子制覇”に挑む「小さい頃から一番勝ちたいレース」

 18頭しか出られない競馬の祭典。今年は6人の調教師(内から(1)石坂師、(3)武英師、(4)坂口師、(5)安田師、(6)加藤士師、(18)牧浦師)がダービー初出走となる。調教師のダービー初出走Vは1937年中島時一師(ヒサトモ=調教師&騎手兼業で自身が騎乗)から07年角居勝彦師(ウオッカ)まで過去11人が達成。17年ぶり12人目の記録なるか。

 父と同じ景色を見たい。その一心で競馬の世界に飛び込んだ加藤士師=写真。開業6年目となる今年、そのチャンスがめぐってきた。「一番最初に覚えたレース。小さい頃から一番勝ちたいと思っていたレースなんです」。待ち焦がれた舞台に思いがあふれる。

 さかのぼること39年。元ジョッキーで現在は調教師の父・和宏師がシリウスシンボリに騎乗しダービーをV。生まれたばかりの加藤士師は口取りで父の腕の中にいた。「もちろん当時の記憶はない。でも後から映像で見て“かっこいいなあ”と。そんな父に憧れて競馬の世界に入ろうと思いました」。加藤士師にとって原点とも言えるレース。力が入らないわけがない。

 送り込むのは皐月賞2着コスモキュランダ。「調教師人生はまだまだ長い。だけど、こういったチャンスのある馬で参戦できるのは今後ないかもしれない。だから今回は、なんとしても結果を残さないといけないんです」と加藤士師は強い決意を持って挑む。悲願“親子制覇”を夢で終わらせはしない。

 ◇加藤 士津八(かとう・しづや)1985年(昭60)2月2日生まれ、茨城県出身の39歳。父はダービージョッキー(85年シリウスシンボリ)で現調教師の加藤和宏。美浦・国枝栄厩舎所属で03年3月に騎手デビュー。JRA通算1054戦20勝で11年に騎手を引退。その後は父の厩舎で調教助手を務め、18年に調教師免許を取得。JRA通算1324戦92勝、うち重賞2勝。