辛口レジェンドOBが考える「巨人がマツダで勝てない理由」

AI要約

広島が巨人に9−3で完封勝利。3パターンの負け方を経て3タテを避けられず。

広島の強さは地元での打者の粘りにある。一方、巨人は先発打線の不調が目立つ。

巨人のピッチングもバッティング同様、改善の余地があると指摘されている。

辛口レジェンドOBが考える「巨人がマツダで勝てない理由」

◆JERA セ・リーグ 広島9―3巨人(19日・マツダスタジアム)

 完封負け。拙攻で競り負け。大敗。負け試合の3パターンを全てやっちまったんだから、3タテを食らうのは当然。で、デスク氏から「なぜマツダで勝てないんでしょう?」「どうしたらマツダで勝てますか?」という難しい命題を与えられたよ。

 逆の立場から答えよう。なぜ広島が地元で強いのか。カープの打者はマツダでは非常にしつこくなる。地元でぶざまなバッティングでもしようものなら、容赦なくたたかれる。逆に、打てば歓声は東京ドームの何倍にもなって返ってくる。だから、燃えるんだろうな。

 そんなありきたりな答えに感心していないで、この試合を振り返ってみろ。3点を先行してもらいながら先頭の秋山を四球で出した高橋礼のミスもあったが、野間の安打、小園のタイムリー。会心の当たりではないが、「逆方向へ打つ」チームの方針を感じたな。こういう安打に、投手は心臓をえぐられるほどのショックを受けるんだよ。

 それに対し、巨人。初回、先頭の丸が四球で出た後の泉口の中飛。ホームランは別にして、無死一塁でフライを打ち上げた時点で論外。「試合の流れ」が分かっていたら、走者を進めるために、最低でも右方向にゴロを転がさなければいけない。きつい表現になるけど、“一丸”と“バラバラ”の差だな。

 末包を天敵にしてしまったな。この打者、外角に変化球を見せて、最後に内角に速い球を投げれば、打ち取るのは簡単。巨人もそれは分かっていると思うがなあ。そこへ投げられない投手の制球力のなさ。ピッチングもバッティング同様、力だけじゃだめだということだよ。(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)