「詰め甘いのかな」苦笑のサニブラウン 両脚つり、また決勝失速

AI要約

サニブラウン・ハキームは、陸上セイコー・ゴールデングランプリの男子100メートルで8位に終わり、左右の脚がつって失速した。

パリ・オリンピックの参加標準記録を突破すれば代表入りが決まる状況であったが、未だ万全のコンディションではないことが課題となった。

最近はスタート時の加速が改善されており、足の運びがスムーズになることでスピードに乗れるようになっていたが、まだ課題が残っている。

「詰め甘いのかな」苦笑のサニブラウン 両脚つり、また決勝失速

 ◇陸上セイコー・ゴールデングランプリ(19日、東京・国立競技場)

 ◇男子100メートル サニブラウン・ハキーム(東レ)=8位(10秒97)

 スタートして間もなくスピードが緩んだサニブラウン・ハキームの姿は、左脚がつって失速した2023年日本選手権男子100メートル決勝とほぼ同じだ。今回は左右の脚がつったという。国内のファンに走りを見せる数少ない機会でのアクシデントに、「詰めが甘いのかな」と苦笑するしかなかった。

 23年世界選手権ファイナリストは、パリ・オリンピックの参加標準記録(10秒00)を突破すれば代表入りが決まる状況だった。予選は流し気味に見えても、10秒07。ただ、サニブラウンは「意外と体に(負担が)来ている感じだった」。

 今季は3月の米国での初戦から10秒0台をマークし、標準記録突破も時間の問題だった。しかし、「まだ(予選から決勝まで)2~3本そろえるトレーニングができていない」と万全のコンディションでないことが響いた。

 一方、かねて課題とするスタート時の加速に、最近は改善が見られるという。「今までは2歩目で足を刻めず、それをカバーするために3歩目がオーバーストライドになっていた。それが昨秋ごろから(2歩目で)足がいい角度で返るようになり、3歩目のロスがなくなった」

 最初の足の運びがスムーズになったことで、早い段階でスピードに乗れるようになった。今季の好調の要因だ。

 成長の一端を披露したかったが、決勝で8位。今後は欧州のレースを転戦し、標準記録突破を狙う。「今年はチャラチャラしないぞという気持ちでやっている」。日本のエースにとって、五輪に向けて地に足を着ける機会にもなった。【岩壁峻】