【陸上】北口榛花 またラストで逆転Vで昨年から10連勝!!「まだちょっと足りない」3年前涙に暮れた国立で貫禄/セイコーGGP

AI要約

北口榛花がセイコーゴールデングランプリで女子やり投で勝利し、シーズンベストを更新

北口の集中力と底力が光る競技で、10連勝を達成。修正力と柔軟性を活かした投げで勝利

ウエイトトレーニングの効果もあり、柔軟性が戻り調子を取り戻した北口は、さらなる記録更新を目指す

【陸上】北口榛花 またラストで逆転Vで昨年から10連勝!!「まだちょっと足りない」3年前涙に暮れた国立で貫禄/セイコーGGP

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場)

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が63m45のシーズンベストを投げて優勝した。

世界女王の恐るべき集中力と底力。昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口は、3回目まで60m20の2位だった。5回目にはフロル・デニス・ルイス・フルタド(コロンビア)が62m06を投げてトップに立ち、北口は3位に順位を下げる。

その直後、62m02を投げて2位に浮上すると、やはり6回目だった。「今日は修正点を見つけながらも、もうちょっと投げられるなというのは感じていました」。手拍子を求め、「前への力」を意識。持ち味の柔軟性から生み出される“しなり”から放たれたやりは、この日、誰よりも遠くへ飛ばした。

これで昨年6月末のゴールデンスパイク(チェコ・オストラヴァ)から、負け知らずの10連勝。そのうち8試合で6回目にその日最高のスローを見せている。試合の中で修正する力が並外れている。

1回目に60m20を投げ、「安全に投げて、やりの飛び方も良くない中で60mだったので、もうちょっと行けると思った」というが、「その後は止まって投げるシーンが多かったり、前に行きたい気持ちが強すぎて(やりを)後ろで投げられなかったりしました」。

ただ、60m19だった2回目は「比較的きれいに飛んだ」ためその後は勢いを出しながら、その軌道の再現を意識。5、6回目でようやく形となり、「高さが出たのは、柔らかさが戻ってきたから」だと捉える。

今季2試合はウエイトトレーニングなどの影響もあり、上半身の柔軟性が戻らずに苦しんだ。身体を「板」に例え「まったく動かなくて板のようだったのが、柔らかい板に変わってきた」と、2週間で「コンディションを一番」に考えてきた効果が表れた。それが「芯があってもうちょっと柔らかく」なれば、さらに状態は良くなるだろう。

この後は欧州へ渡り、海外転戦する予定。「1個できたら、また1個できなくなる、というのが続くと思います。63mじゃまだちょっと足りないので、65mに乗せられるようにしていきたいです」。

勝ち続けてはいても、決して順風満帆ではない。それでも勝つのが本物の強さ。21年東京五輪でケガのため涙に暮れた国立競技場で女王の貫禄を示した北口は、花の都での歓喜に向かってまた一歩前進した。