過酷な標高2600mの戦い「心拍数下がらない」 日本の前例なき高地決戦で…U-20女子が「元気な姿」

AI要約

U-20女子日本代表がコロンビアで開催中のU-20女子ワールドカップで3連勝し、グループリーグ突破を果たした。

チームは攻撃面での取り組みとローテーション起用が功を奏し、13得点を記録し、7人の得点者が出た。

高地での戦いが大きな要素となり、2600メートルの標高での準備を重点的に行い、調整を進めた。

過酷な標高2600mの戦い「心拍数下がらない」 日本の前例なき高地決戦で…U-20女子が「元気な姿」

 ヤングなでしこの愛称を持つU-20女子日本代表は、コロンビアで開催中のU-20女子ワールドカップ(W杯)で3連勝でのグループリーグ突破を果たした。決勝トーナメントを前に狩野倫久監督がオンラインで取材対応を行い、標高約2600メートルの高地で行われる環境について「前例がない中で難しさもあった」と話している。

 日本は初戦でニュージーランドに7-0の圧勝を収めて好スタートを切り、ガーナに4-1、オーストリアに2-0で勝利してE組を首位通過。3試合で13得点しただけでなく、7人が得点者に名を連ねた。交代枠もフル活用してのローテーション起用も行い、良い形で進んできた。狩野監督は「攻撃面に関してはチーム立ち上げ当初から常に取り組み、誰が出ても色々なコンビネーションやパスワークから点を取れる。それをW杯という世界の舞台でいかに発揮させられるか。それがグループリーグで多く見られたのが良さとして挙げられると思う」と話した。

 今大会での大きな要素が高地での戦いにあり、日本が3試合を戦った首都ボゴタは標高約2600メートルにある。狩野監督はメンバー発表会見の時点で「富士山の5合目や6合目にあたる。2011年にU-17男子がメキシコで試合をしたのが標高1900メートルほど。日本サッカーでも今までにない標高でやることになる」と話していた。マラソンの高地トレーニングを行うような環境だけに、JISS(国立スポーツ科学センター)やJOC(日本オリンピック委員会)の協力も得ながら約2週間前に現地入りして準備を進めた。

 そして、現地で実際に調整を行った感触を「単純に高地に来るということで酸素が少なくなり、それを取り入れようとすることで通常時でも心拍数が上がる。それで運動するとさらに上がるし、回復までの時間もかかる。通常と同じトレーニングの流れでも心拍数が下がらない。順化するまでに10日や2週間はベース。そこでも個人差があるのでモニタリングして、心拍数が上がるのがダメではなく、いつ、どこで、どれくらい下がるのかを見ながらトレーニングをしてきた」と話す。