新入幕の白熊、三賞意欲 地元福島からの“白熊を見ようツアー”は「動物園みたい」と笑顔で歓迎

AI要約

新入幕力士の白熊が2桁白星を目指し、三賞受賞に意欲を示す。

彼の初めての幕内経験に期待が高まり、幕内での取組に集中する姿勢を見せる。

珍しいしこ名や癒やし系の風貌で人気急上昇中で、新入幕での活躍が期待されている。

 大相撲秋場所(8日初日、東京・両国国技館)で新入幕を果たした東前頭16枚目の白熊(25=二所ノ関)が、2桁白星で三賞受賞に意欲をのぞかせた。6日、茨城県内の部屋で基礎運動などで汗を流した。稽古後は「緊張してきました」と、初日が近づき、高ぶる胸の内を明かした。この日の取組編成会議で初日は北の若、2日目は錦富士との取組が決定。ただ「人から対戦相手を聞かされると必ず負ける」という験を担ぎ、相手は聞かずに集中力を高めた。

 新入幕会見では、中学、高校、大学と1学年後輩で、弟弟子の関脇大の里との、幕内での優勝決定戦が目標と語り、話題を集めた。直近の今場所の目標について、この日「三賞がほしいですね」と素直に話した。新入幕力士は慣例として、2桁白星を挙げると敢闘賞を受賞。「優勝を目指すぐらいの気持ちでやりたい」と、12勝3敗で十両優勝した先場所に続く大勝ちを目標に掲げる。

 新入幕で、初めて経験することも多くなりそうだ。中でも3月の春場所で1度、幕内土俵に立ったが、大奄美に敗れて受け取ることができなかった懸賞は楽しみだという。「どうやって受け取るんですか? 両手で取っちゃダメなんですか? あっ、さがりを持ってるかもしれないから難しいか。クマが川からサケを取るみたいに? そんな取り方したら怒られますよ(笑い)」と、想像力をめぐらせ、楽しそうに笑った。さらに、地元福島県からの観戦ツアーも行われるそうで「白熊を見ようツアー…、ですかね。なんか、動物園に行くみたいですね」と、白熊トーク全開で大笑いした。

 現役屈指の珍名と、そのしこ名に合った癒やし系の風貌と話し方で、人気急上昇中。幕内に上がり、今場所からは「白熊」のしこ名が入ったタオルも、両国国技館内の売店などで販売される予定だ。「うれしいですね。地元も盛り上がってくれている。これで負け越したら、故郷に帰れない」。本名の「高橋」から改名して5場所目。新入幕を機に、ブレークの予感が漂っている。【高田文太】