ストームキャット系の土台作った名種牡馬「ヘネシー」を紹介 近年はダートのみならず芝でも活躍

AI要約

栗山求氏によるコラム『今日から使える簡単血統塾』では、知っておきたい名馬ヘネシーについて紹介されています。ヘネシーは種牡馬として成功し、ヨハネスブルグやヘニーヒューズなどの名種牡馬を輩出しました。

2歳新種牡馬の現在の成績も紹介され、アドマイヤマーズとサートゥルナーリアが8勝という好成績を記録しています。同時期の過去の新種牡馬と比べても合格点とされています。

また、記事では過去の種牡馬成績のデータも参照され、種牡馬ランキングの上位を賑わすような種牡馬は、この時期までは抑え気味で、9月以降に伸びてくる傾向があることが示唆されています。

ストームキャット系の土台作った名種牡馬「ヘネシー」を紹介 近年はダートのみならず芝でも活躍

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【ヘネシー】

 ストームキャット系の土台を作った一頭。2歳時にホープフルS(米G1・ダ7ハロン)など3つの重賞を勝ち、2歳ナンバーワン決定戦のブリーダーズCジュヴェナイル(米G1・ダ8ハロン)はアンブライドルズソングのクビ差2着でした。

 パワー型のスピードを武器に種牡馬として成功し、ヨハネスブルグ、ヘニーヒューズという名種牡馬を出したほか、スペシャルデューティ(英1000ギニー、仏1000ギニー)のようにヨーロッパへ渡ってクラシックを制覇した馬もいます。浦河のイーストスタッドで1年だけリース供用され、サンライズバッカス(フェブラリーS)を出しました。

 産駒のヨハネスブルグは名種牡馬スキャットダディ(ジャスティファイ、カラヴァッジオ、ノーネイネヴァー、ミスターメロディなどの父)を出し、ヘニーヒューズはビホルダー、モーニン、アジアエクスプレスの父となりました。

 直系の曾孫のジャスティファイは名馬シティオブトロイ(英ダービー、エクリプスS、インターナショナルS)を出し、ヨーロッパの芝競馬で勢力を広げる兆しがあります。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「今年の2歳新種牡馬のレベルは例年と比べてどうですか?」

 中央での勝ち星を見てみると、現在の順位は以下のとおり。

1位 アドマイヤマーズ  8勝(2着5回)

2位 サートゥルナーリア 8勝(2着3回)

3位 ナダル       4勝(2着5回)

4位 タワーオブロンドン 4勝(2着4回)

5位 モズアスコット   4勝(2着3回)

 トップはアドマイヤマーズとサートゥルナーリアが8勝で並んでおり、2着の数で前者が上となっています。ただ、賞金額では後者が上です。

 過去10年間、同時期(8月末時点)の新種牡馬成績を比べると、キズナ(19年)とスワーヴリチャード(23年)が1位タイで11勝。ジャスタウェイ(18年)とドゥラメンテ(20年)が3位タイで9勝。アドマイヤマーズとサートゥルナーリアはその次ですから、平均よりやや上ぐらいの成績で、十分合格点といえるものです。

14年 ハービンジャー   6勝(2着5回)

15年 ワークフォース   3勝(2着4回)

16年 アイルハヴアナザー 5勝(2着5回)

17年 ロードカナロア   7勝(2着7回)

18年 ジャスタウェイ   9勝(2着7回)

19年 キズナ       11勝(2着8回)

20年 ドゥラメンテ    9勝(2着7回)

21年 シルバーステート  7勝(2着6回)

22年 サトノクラウン   6勝(2着3回)

23年 スワーヴリチャード 11勝(2着8回)

 ちなみに、2010年に41勝を挙げたディープインパクトは、この時期まだ6勝でした。種牡馬ランキングの上位を賑わすような種牡馬は、この時期までは抑え気味で、9月以降にグンと伸びてきます。繁殖牝馬の質と量に恵まれたサートゥルナーリアはそんな気配が漂います。