【大学野球】2016年以来1部昇格の釧路公立大…残留目指して3000キロ…道六大学野球秋季リーグ・24日開幕

AI要約

今秋の北海道六大学野球リーグ戦が開幕し、釧路公立大が2016年以来の1部昇格を果たした状況が紹介されている。

釧路公立大の選手たちは過酷な環境下でリーグ戦に臨み、昇格を果たし残留を目指して全力を尽くす姿勢が語られている。

部員が苦労しながらもチームの団結力を高め、次なる目標である残留へ向けて準備を進めている様子が描かれている。

【大学野球】2016年以来1部昇格の釧路公立大…残留目指して3000キロ…道六大学野球秋季リーグ・24日開幕

 北海道六大学野球(北海道学生野球連盟)秋季リーグ戦が24日、苫小牧とましんスタジアムで開幕する。春の入替戦を制し、2016年春以来の1部昇格を果たした釧路公立大は、初戦で北洋大と対戦。過酷な環境を乗り越え、総力戦で残留を目指す。

 1か月で約3000キロ。釧路公立大ナインは、日本列島の全長と同じ距離を移動してリーグ戦を戦う。8年ぶりの1部挑戦を前に、赤平蓮主将(3年=旭川明成)は「大変なことも多いけど、1部で試合をできることが素直にうれしい。精いっぱい頑張りたい」と気合を入れた。

 開幕戦が行われる苫小牧から始まり、網走、江差、愛別、最後にもう一度苫小牧。全道各地で計10試合を行う。他5大学は2試合以上地元開催が組まれている一方、同大が最も近い会場は片道約150キロの網走。昇格決定から秋季リーグ開幕までにバスの手配が間に合わず、第3節の江差以外は全て自家用車で移動する。

 費用面の負担も大きく、全節試合前日に移動するため、全10泊分の宿泊費、交通費がかかる。昇格を機に野球部OB会が設立され数十万円の寄付金が集まったが、バットなどの用具代も部員が自腹で負担しており、アルバイトの頻度を増やしてお金を工面。赤平はコンビニの深夜バイトを週1回から2、3回にして遠征費を稼いできた。

 各自の授業があるため、全体練習が行えるのは土日のみ。「野球をやりたくてこの大学に来た人ばかりではないので、全員が同じ目標に向かうのが難しかった」と、昨年までは平日の自主練習を行うのは同じ選手ばかりだったが、赤平が全員と個人面談して意識改革。現在は、ほぼ全ての選手が平日もグラウンドで汗を流すようになり、チーム力が底上げされた。例年は3年秋のリーグ戦で引退する現4年生4人も現役続行。選手20人で1部への切符を手にした。

 高校時代は道内でも無名の選手ばかりで、大人の指導者は不在。環境も決して恵まれてはいないが、「数年前に部員が6人になったときも野球部を存続させてくれた先輩や応援してくださる方がいて昇格することができた。次の目標である残留に向けて1勝を積み重ねていきたい」と赤平。多くの苦難を乗り越え、まずは16年春以来の白星を手にしてみせる。(島山 知房)