「少女ファンと笑顔で記念撮影も…」過去の性的暴行で猛批判を浴びたオランダ人選手が母国凱旋→大歓声に包まれる!英紙は「恥を知れ」とふたたび糾弾

AI要約

オランダ代表のスティーブン・ファン・デベルデがパリ五輪・男子ビーチバレーで物議を醸した。彼は過去に未成年少女に性的暴行を働き、服役した経歴があった。

ファン・デベルデが五輪に出場することに対し、英国メディアやアスリート、擁護団体などから強い反発があり、大会中は大観衆からブーイングが起こった。

しかし、大会後に母国で開催されたヨーロッパ選手権では、ファン・デベルデは銅メダルを獲得し、祖国のファンから大声援を受ける成功を収めた。

「少女ファンと笑顔で記念撮影も…」過去の性的暴行で猛批判を浴びたオランダ人選手が母国凱旋→大歓声に包まれる!英紙は「恥を知れ」とふたたび糾弾

 パリ五輪・男子ビーチバレーで物議を醸したのが、オランダ代表のスティーブン・ファン・デベルデだ。エッフェル塔周辺に特設されたビーチバレー会場は、彼が登場するたびに大ブーイングに包まれた。なぜなら十代の頃に少女に対する性的暴行で服役した過去があり、五輪に出場すること自体に猛批判が浴びせられていたからだ。

 19歳だった2014年、ファン・デベルデはフェイスブックで知り合った当時12歳の英国人少女に対して性的暴行に及んだ。未成年者に酒を飲ませたうえでの愚行で、犯行は3度も繰り返されたという。16年に英国の裁判所から禁固4年の実刑判決を受けたが、その後身柄は英国から母国オランダへ引き渡され、量刑が変更された。なんとわずか1年の服役を経て釈放に至ったのだ。

 ファン・デベルデは即座に競技復帰し、18年からは国際大会にも出場。そして今年6月、マシュー・イマーズとのコンビでパリ五輪の出場権を獲得し、晴れてオランダ代表に選出されたのである。当然、英国メディアやアスリート、さらに女性擁護団体などが一斉に反発。オランダ・オリンピック委員会は「再犯の可能性はゼロだ。出場の資格も満たしている」と正当性を主張したが、擁護するスタンスに批判はいっそう高まった。

 慌てたオランダ側は深刻なトラブルを避けるため、ファン・デベルデと話し合ったうえで「選手村への入村禁止」と「メディアとの接触禁止」を決定する。実際に競技が始まると観客席からは容赦ない罵声が飛び、ほんの少しのオランダ応援団の声はかき消された。試合を終えるとファン・デベルデは用意されたバンに急いで乗り込み、報道陣の問いかけに一度も答えなかったという。ファン・デベルデ/イマーズ組は準々決勝まで勝ち進んだが、ブラジル代表ペアに敗れて大会を後にした。

 大会後に本人はオランダ公共放送『NOS』の取材に応じて本音を吐露。「僕が10年前に犯した罪は許されない。批判は真摯に受け止める」としながらも、「だからといってイマーズや妻、子どもら周りの人びとを傷つけるのは行き過ぎだ。本当に過剰なものだった」と振り返り、涙で訴えかけた。

 

 そしてパリ五輪直後にオランダで開催されたヨーロッパ選手権に、ファン・デベルデはふたたびイマーズとのコンビで出場。母国でベスト4に進出する快進撃をみせ、3位決定戦を制して銅メダルを獲得した。

 英紙『Daily Mail』は驚きを隠せない。「なんとファン・デベルデは祖国オランダのファンから大声援を受けた。豪快なブロックを決めてスタンドを沸かせると、彼はコミカルなお辞儀でファンにアピールしたのだ」と報じ、「試合の合間も終始リラックスしてファンとも触れ合っていた。5歳くらいの少女や赤十字の制服を着た女性たちと、笑顔で親指を立てて記念撮影にも応じていたのである。恥を知るべきだ」と断じた。

 地元メディア『AD』は3位で終えたファン・デベルデのコメントを伝えている。8月8日に30歳となったオリンピアンは「ファンの声は大きな支えになったよ」と感謝の意を示し、「パリでの出来事は封印された。美しい、新しい思い出ができたからね。僕たちはここからまた始めるよ」と前を向いた。

構成●THE DIGEST編集部