松山英樹、プレーオフ初戦を制す 上がり連続バーディでツアー通算10勝目!【コラム】

AI要約

松山英樹がフェデックス・セントジュード選手権で10勝目を挙げる苦しい戦いを制し、ポイントランク3位に浮上。

サンデーバックナインで逆転し、最後は池ギリギリのショットを成功させバーディフィニッシュ。

過去の勝利とは異なる新たな要素を見せた松山の偉業に称賛が集まる。

松山英樹、プレーオフ初戦を制す 上がり連続バーディでツアー通算10勝目!【コラム】

 松山英樹が底力を見せてくれた。米男子ツアーのプレーオフシリーズ初戦、ポイントランク上位70名が出場したフェデックス・セントジュード選手権で、2日目から首位をキープした松山がサンデーバックナインで苦しみながら勝負どころでクラッチパットを決め、今季メジャー2勝のザンダー・シャウフェレ、昨季の年間王者ヴィクトル・ホブランドに2打差をつけツアー通算10勝目を飾った。

 最終日を5打リードして迎えたが、決して楽には勝たせてもらえなかった。「リードしているからこそアグレッシブにいきずらかった」と本人がいうように前半7番まではスコアカード通りのプレー。8番と11番でバーディを奪い、依然5打のアドバンテージを守っていた。

 しかし12番で1.5メートルのパーパットをはず外した瞬間、それまでのいい流れが一気に暗転。13番ではイヤな距離のパーパットを入れたものの、14番は1打目を池に入れボギー。

 15番ではティーショットを右のラフに打ち込み、2打目はグリーン奥の厄介なラフへ。3打目のアプローチはバミューダ芝に阻まれ4打目でようやくグリーンに乗せたものの、およそ5メートルを外してダブルボギー。4ホールで4打落としホブランドに逆転を許した。

 チャンスの16番パー5でもバーディを奪えなかったが、そこからが松山の凄いところ。いきなりスイッチが切り替わり、17番で8メートルのバーディチャンスにつけると「これを入れれば楽にいける」と放ったパットがカップに吸い込まれ、この日唯一のガッツポーズが飛び出した。

 パーなら優勝という池絡みの難しい18番では池ギリギリのショートサイドを狙うスーパーショット。最後は2メートル弱を決めきりバーディフィニッシュでツアー通算10勝目を挙げた。

 マスターズ(2021年)での逃げ切り優勝。今年のジェネシス招待で最終日「62」の猛攻で掴んだ逆転優勝。そして2週間前、パリ五輪での感動の銅メダル。彼が紡いだどの勝利にもドラマがあった。そして今回は追い込まれながらよみがえるパターンで新しい顔を見せてくれた。

 大会前、ロンドンで盗難事件に遭遇。パスポートを盗まれたエースキャディの早藤将太氏を欠くなかでの勝利。代役でバックを担いだ田渕大賀キャディは「すべてが凄かったです。非の打ち所のないゴルフ」と感心しきり。

 これでポイントランク3位に浮上。残り2戦、年間王者も夢ではない。