【中日】“代役3番”川越誠司がお立ち台「忘れません」移籍初アーチ 登場曲「青雲」にパンチパーマ

AI要約

中日川越誠司外野手(31)が移籍後初アーチで勝利を導く

川越は古傷の右膝を痛め、手応えをつかむまで苦労した

昇格後すぐに活躍し、父親監督も称賛する活躍ぶり

【中日】“代役3番”川越誠司がお立ち台「忘れません」移籍初アーチ 登場曲「青雲」にパンチパーマ

<中日2-1阪神>◇16日◇バンテリンドーム

 中日川越誠司外野手(31)が劇的な移籍後初アーチで勝利を導いた。カリステが右脇腹痛で出場選手登録を抹消され、“代役”として「3番左翼」で先発出場。1-1で迎えた6回1死走者なしの第3打席で阪神先発ビーズリーの初球ストレートを右翼席へ突き刺した。「素晴らしい光景だった。忘れません」。昨季途中に西武からトレード移籍し、大入り満員のスタンドでお立ち台に1人で上った。「ようやくチームに貢献できた」。昨季終盤に古傷の右膝を痛めリタイア。その後も故障に泣かされファームで開幕を迎えた今季の苦労を払拭する大歓声に震えた。

 8月からバットの握りを変えた。グリップに右手小指をかけるスタイルをやめ通常の握りに模索。8日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(バンテリンドーム)で放ったアーチで手応えをつかんだ。ビーズリーにはこの日の第2打席まで昨季から4打席無安打、ファームでも5打席無安打だった。「イメージはできていた」。会心の感触を振り返った。

 ホーム出場時には日本香堂が販売する線香「青雲」のテーマ曲を使用。トレードマークのパンチパーマに整髪してくれる理髪店も昨年オフに名古屋市内で見つけた。13日に今季初めて1軍に昇格したばかり。14日ヤクルト戦の今季初打席は代打でタイムリー。立浪監督は「持ち前の思い切りの良さで見事にやってくれた。最高のホームランになった」と孝行息子をたたえた。負ければ自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅していたが、苦労人のスラッガーが主軸に加わった。【伊東大介】

 ◆川越誠司(かわごえ・せいじ)1993年(平5)6月30日生まれ、北海道出身。北海では3年時に外野手として甲子園で春夏連続出場。北海学園大を経て、15年ドラフト2位で投手として西武に指名され、入団。1軍公式戦のないまま、18年秋に外野手へ転向した。20年に1軍デビューを果たし、21年には自己最多の5本塁打。23年シーズン中に、高松渡との交換トレードで中日に移籍した。174センチ、80キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は1375万円。