全国初優勝を達成した東山・大澤徹也コーチ…恩師を思い「負けられない理由があった」

AI要約

東山高校がインターハイ初優勝を果たし、コーチは感慨深い気持ちを述べた。

準決勝での逆転劇や過去の決勝戦での経験が優勝につながった。

コーチの恩師の訃報を受け、決勝に臨んだチームは負けられないという強い意志を持って戦った。

全国初優勝を達成した東山・大澤徹也コーチ…恩師を思い「負けられない理由があった」

「(優勝が決まった)あの瞬間というのは味わったことのない体験でした。本当にうれしいの一言に尽きますね。選手たちがあれだけ一生懸命コートの中で頑張る姿を間近で見ることができて、今日(決勝)は東山らしさの出たバスケットだったのではないかと思います。すごく最高の景色でした」

 8月9日、「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の決勝を78ー62で勝利し、インターハイ初優勝に輝いた東山高校(京都府)の大澤徹也コーチは、日本一の感想を語った。

 瀬川琉久(3年)、佐藤凪(2年)と、昨年からスターターを務めるポイントゲッターたちを擁し、今年も優勝候補の一角に挙げられていた東山。第3シードで2回戦から登場すると順調に勝ち上がり、一つ目の山場といえる福岡第一高校(福岡県)との準決勝を迎えた。

 その準決勝では硬さの見られた第1クォーターこそ8-17とビハインドを負ったものの、第2クォーター以降に追い上げ。対策してきた福岡第一のプレスディフェンスに対するボール運びでも落ち着いた動きを見せ、攻めては気持ちのこもったプレーで佐藤が23得点。また、小野寺星夢、南川陸斗(ともに3年)らも積極的なプレーで加勢し、最後は68ー52で競り勝った。

 これで昨年大会に続いて2年連続、ウインターカップを含めると5度目の決勝進出となった東山。準決勝後、過去の4度、決勝で敗れている大澤コーチは、優勝に関して問われてこのように語った。

「何度も何度も(決勝を)経験して、乗り越えなくてはいけないところで選手たちよりも僕が気負っていました」

 そしてこう続ける。「でも、今回は負けられない理由が僕にできたんです。8月1日に田中(幸信)先生、僕の恩師が亡くなって。そういった状態で(インターハイに)来ていて、だからもう覚悟は決まった。今回は負けられないので、悩むことも、気負うこともまったくないです」

 田中氏は東山の前コーチで、大澤コーチの洛西中学校(京都府)、東山高校の恩師でもある。それこそ、大澤コーチが大学卒業後に母校にコーチとして赴任したのは田中氏の誘いがあったからで、2020年に田中氏が同校のコーチを勇退するまでタッグを組んできた。