銀(リオ)→銅(東京)のリディア・コがパリで悲願の金メダル! 山下美夢有はメダルに一打及ばず

AI要約

山下美夢有が初のオリンピックで悔しさに包まれつつも、メダルに届かず終える。

優勝争いが激化する中、猛チャージを見せたエスター・ヘンゼライトに注目。

ネリー・コルダや笹生優花らも挑戦したが、メダル獲得は果たせなかった。

銀(リオ)→銅(東京)のリディア・コがパリで悲願の金メダル! 山下美夢有はメダルに一打及ばず

◆パリ五輪

ゴルフ競技(女子) 8月7~10日 ル・ゴルフ・ナショナル(フランス) 6374ヤード・パー72

 メダルまであと一歩。山下美夢有の初めてのオリンピックは、悔しさにあふれながらも、今後への大きな糧を得て終わった。

 現地時間10日に行われたパリ五輪・女子ゴルフ最終日、山下は首位に2打差の3位タイからスタートした。1番パー、2番バーディーと好スタートを切る。

 対照的に、1つ後ろの最終組はスタートホールで苦戦する。首位の2人はリディア・コ(ニュージーランド)がボギー、モーガン・メトロー(スイス)はティーショットをいきなり池に入れてダブルボギー。山下はリディア・コと並ぶ首位タイに躍り出た。

 しかし山下は、6、7番で連続ボギー。8番バーディーの後、9番ではグリーン周りで苦戦してダブルボギーとなり通算5アンダーまで後退。一方のリディア・コは3バーディーでカムバックし、通算11アンダーで前半を終え独走の気配を見せた。

 ところが、13番で首位をプレーしていたリディア・コが池に入れてダブルボギーを打ったことで、勝負の行方は分からなくなった。特に、優勝だけを狙う通常のトーナメントと違い、3位までのメダルもかかるオリンピックとあって、そちらも激戦が繰り広げられた。

 大きなカギを握っていたのが、2アンダー13位タイから猛チャージをかけたエスター・ヘンゼライト(独)だ。最終組の4組前でプレーし、フロントナインで4バーディーを奪い、リーダーボードを駆け上がる。上がり2ホールもバーディーで通算8アンダー。メダル圏内で先にホールアウトした。

 山下は、13番のダブルボギーの後は落ち着いてパーを重ねるリディア・コを追いつつも、ヘンゼライトのスコアがチラつく流れの中、14と15番の連続バーディーで7アンダー。終盤の追い上げが期待されたが、パー3の16番で池に捕まり、痛恨のダブルボギーを叩いてしまった。

 パー5の最終18番は2オンし、メダルへの望みがかかったイーグルパットに挑んだが、2パットのバーディー止まり。通算6アンダーで4位タイに終わった。

「9番、16番でもったいないダブルボギーを打ってしまった。最後16番のティーショットは悔やまれます。1打ずつしっかり取れるようにやってはいたんですけど、ティーショットが安定してなくて、セカンドも寄ってなくて」と唇をかむ。

 メダル争いについては「すごい緊張感もあって楽しくラウンドできました。悔しい結果ではあったけど、これを今後に生かしたいです」と、前向きに締めくくった。

 東京に続く2度目のオリンピック出場の笹生優花は、母の母国であるフィリピン代表から父の母国の日本代表へと形を変えて臨んだ。だが、最後まで思うようなプレーができなかった。

 通算7オーバー42位で臨んだ最終日は、2バーディー、6ボギー、3ダブルボギーと82の大叩き。通算17オーバーで、4日間プレーした59人中54位と、全米女子オープン2勝の実力は発揮できないままに終わった。

 それでも「楽しくゴルフできればと思って、結果はよくなかったですけど4日間楽しめたのでよかったかな」といつものマイペース。観客の多い中でのプレーには「(米)レギュラーの試合でもこんなに観客が入ることないので、みなさんの声が聞けてよかったかな」とオリンピックを楽しんだ。

 2016年のリオで銀、2021年東京で銅といずれもメダルを手にしているコは、3度目で念願の金メダルを獲得。猛チャージのヘンゼライトが銀、リン・シユ(中国)が銅メダルを手にしている。

 東京の金メダリストでロレックス(女子世界)ランキング1位のネリー・コルダ(米)は3つスコアを落として通算1アンダー22位タイ。オリンピック連覇はかなわなかった。