憧れるのを一旦やめます――米女子ロッドマンらが抱く、英雄への想い「サッカーを変えた」「彼女が大好き。だけど勝ちたい」【パリ五輪】

AI要約

アメリカ女子代表はパリ五輪決勝でブラジルと対戦する。 トリニティ・ロッドマンが相手エースのマルタについて語る。

マルタは女子サッカーの英雄であるが、スペイン戦での一発退場から復帰し、アメリカは金メダルを目指す。

アメリカ選手たちはマルタに対し尊敬の念を抱きつつも勝利を追求し、恩人であるブラジルに痛烈な恩返しを目指す。

憧れるのを一旦やめます――米女子ロッドマンらが抱く、英雄への想い「サッカーを変えた」「彼女が大好き。だけど勝ちたい」【パリ五輪】

 アメリカ女子代表は現地8月10日、パリ五輪の決勝でブラジルと相まみえる。

 大一番を前に、NBAのスーパーレジェンド、デニス・ロッドマンの娘であり、準々決勝の日本戦で決勝点を叩き込んだトリニティ・ロッドマンが取材に対応。相手エースのマルタについて熱く語った。米スポーツチャンネル『ESPN』が伝えている。

 現在38歳のマルタは、長きに渡ってビラジル、ひいては女子サッカーを牽引している英雄だ。今大会限りで代表引退を表明しているなか、グループステージのスペイン戦で、勢い余ってオルガ・カルモナの頭を蹴ってしまい、一発退場に。2試合の出場停止処分が下されたものの、チームが勝ち進み、最終決戦でついにピッチに戻ってくる。

 ロッドマンは「マルタは世界中のサッカーを変えた」と賛辞を惜しまない。ただもちろん、敵として戦う以上、WBCでの大谷翔平の言葉ではないが、“憧れるのをやめましょう”だ。

「でも、金メダルは欲しいよ。彼女のことは大好きだけど、私たちは勝ちたいんだ」

 また、ロッドマンと共に攻撃の中心を担うソフィア・スミスも、マルタのハイライトを見て育ったようだ。強いリスペクトを示し、アメリカ国内のリーグNWSLで対戦できるのは、決して当たり前ではないと訴えた。

「ゲームを変え続けているマルタがいなければ、私たちはここにいない。彼女が我々のリーグでプレーしてくれたことは、とても助けになった。私たち若手を導くマルタへの感謝の気持ちは、言葉では言い表せないと思う。彼女は、私たちが最高のプレーをするよう望んでいるはず。それが、自分たちが示せる最高レベルの敬意だ」

 3大会ぶり5度目の金メダルを目ざすアメリカは、恩人がいるブラジルを下せるか。結果をもって、“痛烈な恩返し”をしたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部