リーダーズボードに刻まれた衝撃の防御率「0.54」。防御率0点台だけでなく中日・高橋宏は師匠・山本由伸に続く投手4冠の可能性も

AI要約

中日の高橋宏斗投手が異次元の数字を残し、防御率0・54で12球団トップの防御率を達成。

高橋宏斗投手はヒーローインタビューで反省しながらも粘り強く投球し、夢の防御率0点台に挑戦。

今季は巨人の菅野智之を上回る成績でリーグトップに立ち、空前絶後のタイトル争いが繰り広げられている。

リーダーズボードに刻まれた衝撃の防御率「0.54」。防御率0点台だけでなく中日・高橋宏は師匠・山本由伸に続く投手4冠の可能性も

 ついに異次元の数字がリーダーズボードに刻まれた。中日の高橋宏斗投手が6日、岐阜・長良川球場で行われたDeNA戦に先発。7回を6安打1失点に抑えて9勝目を挙げ、規定投球回に到達。防御率0・54で12球団トップの防御率をマークした。

 ヒーローインタビューでは先制点を与えたことを反省しながら、粘り強く投げられたと語った高橋。

 自己最多127球を投げ抜き、夢の防御率0点台。プロ野球の世界では1970年の阪神・村山実が残した0・98を最後に一人も現れていない。その領域にかろうじて近づいた近年の伝説的投球が昨年のオリックス・山本由伸のマークした1・21。他に楽天・田中将大が2011年に1・272、2013年に1・273という数字を残したが、近づけてもそこまでだった。

 昨年のWBCでも圧巻の投球で世界の注目を集めた若き右腕は、シーズンの先を見据える。今季はフォーム改良がうまくいかず調整に手間取り、開幕は2軍スタートだった。1軍初登板は4月28日の広島戦と1カ月出遅れたことで、規定投球回到達まで時間がかかった。7日にはチームが101試合目を迎え、再びランキングから姿を消すことになるが、順当に登板を重ねていけばシーズン終了時には余裕を持って143イニングというシーズン規定投球回をクリアできる。

 特に7月は絶好調だった。4試合に登板して無傷の4勝。7月5日の広島戦(バンテリン)では100球未満の完封勝利「マダックス」を達成するなど、1完封を含めて32イニングに投げて、1失点もない、圧巻のパフォーマンス。この日の初回にオースティンに先制の犠飛を許し、連続イニング無失点こそ33回で途切れたが、無双モードで快投を続けている。

 

 ここまで9勝1敗で、勝率・900も同・833の巨人・菅野智之を上回りリーグトップに立った。97奪三振もリーグ3位。自主トレで師事する山本由伸が3年連続でマークした最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の投手4冠も手の届くところにある。

 今季は防御率セ・リーグ2位の広島・大瀬良大地も0・85と0点台をキープしている。空前絶後のハイレベルなタイトル争い。1つの自責点でさえも命取りになりかねないギリギリのバトルが、終盤のペナントレースを盛り上げてくれそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]