【バレー】「これからが大事」石川祐希、米国戦反省生かし「強くしてくれた」イタリアと運命の決戦

AI要約

運命の決戦が始まる。世界ランキング6位のバレーボール男子日本は、1次リーグをぎりぎりの8位で通過。5日の準々決勝は、同2位のイタリアに決まった。

エース石川は、強豪ぞろいの決勝トーナメントに向けて、気持ちを高めていた。日本が飛躍するきっかけとなった国を打ち破って4強に進む。

イタリアは、16年リオデジャネイロ五輪で銀メダル、22年世界選手権優勝の実力国。日本は昨季のネーションズリーグ(VNL)3位決定戦で勝利も、東京五輪では1-3で敗れており、ここ一番での勝負強さは警戒だ。

【バレー】「これからが大事」石川祐希、米国戦反省生かし「強くしてくれた」イタリアと運命の決戦

 【パリ4日=竹本穂乃加】 運命の決戦が始まる。世界ランキング6位のバレーボール男子日本は、1次リーグをぎりぎりの8位で通過。5日の準々決勝は、同2位のイタリアに決まった。鍵を握るのは、イタリアリーグ・セリエAで23-24年シーズンにプレーオフ進出を果たした石川祐希主将(28)、高橋藍(22)の2人。72年ミュンヘン大会以来52年ぶりの頂点を目指して、最初の難関に挑む。

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 決戦の時が来た。「これからが大事」。負ければ終わりの一発勝負。エース石川は、強豪ぞろいの決勝トーナメント(T)に向けて、気持ちを高めていた。

 五輪は、過酷な場所だった。1勝1敗で迎えた米国戦を1-3でしのいで1次リーグを突破。各組3位の3チーム中2番目というぎりぎりだった。石川が米国から奪った得点はわずか5で、唯一奪取した第3セットは大塚と交代してコート外。「みんな生き生きとのびのびとやれている」と俯瞰(ふかん)して見守ったが「パフォーマンスをしっかり出せば(トスを)上げてくれるところで出せなかった」と反省は尽きない。

 イタリアがきっかけだった。準々決勝の相手は、石川のよく知る国だ。14年、中大在学中に世界最高峰イタリアリーグ・セリエAのモデナに短期移籍。イタリア9季目となる23-24年シーズンは、所属するミラノ史上初のプレーオフ3位に貢献した。「イタリアのリーグで優勝してMVPを獲得する」。まっすぐな思いで挑戦し続ける背中を追って、日本からも海外へ飛び出す選手が増えていった。

 高橋藍もその1人。日体大在学中に「自分を強くする環境はイタリア」と決心。技術はもちろん、勝負強さを身につけて、22歳ながらに石川に次ぐ頼もしい主軸へと成長した。

 勝てば、メダルマッチが確定する大一番。相手は16年リオデジャネイロ大会銀メダルの難敵だが、昨年のネーションズリーグでは、銅メダルを懸けた一戦で破った経験がある。「メダルを目標に掲げている。(敗れた)米国よりももっと強いチームもいる。勝てる準備をしないと」と石川。高橋藍も「準々決勝で勝っていくために、まだまだギアを上げていく」。日本が飛躍するきっかけとなった国を打ち破って4強に進む。

 ○…イタリアは、16年リオデジャネイロ五輪で銀メダル、22年世界選手権優勝の実力国。1次リーグでは12チーム唯一の勝ち点「9」を挙げて決勝トーナメントに勝ち進んだ。自国に世界最高峰リーグのセリエAを持ち、選手層の厚さは世界トップクラス。「世界最高のセッター」の呼び声高いジャネッリを中心とした組織力の高いバレーを展開する。205センチの22歳OHミキエレットや、1次リーグ全体5位の54得点を記録したOPロマーノらが攻撃の軸を担う。日本は昨季のネーションズリーグ(VNL)3位決定戦で勝利も、東京五輪では1-3で敗れており、ここ一番での勝負強さは警戒だ。ただ日本にとって吉兆データがある。直接対決では21年6月のVNLから今年のVNLまで3○2→1●3を3度繰り返している。順番では、準々決勝は日本が3-2で勝つターンだ。