J未経由→欧州挑戦の逸材 「最後の砦」の自負…次代の森保J正GK候補に名乗り

AI要約

U-23日本代表は今夏のパリ五輪で56年ぶりのメダル獲得を目指す。

守護神・小久保玲央ブライアンは海外クラブへの移籍を果たし、将来を嘱望されている。

小久保は身長193センチの身体能力と冷静なプレースタイルで成長を遂げている。

J未経由→欧州挑戦の逸材 「最後の砦」の自負…次代の森保J正GK候補に名乗り

 大岩剛監督率いるU-23日本代表は、今夏のパリ五輪で1968年メキシコ五輪以来、56年ぶりのメダル獲得を狙う。4位でメダルにあと一歩届かなかった東京五輪から3年、希望を託された大岩ジャパンの選ばれし18名のキャラクターを紐解くべく、各選手の「肖像」に迫る。

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 大岩ジャパンの守護神・小久保玲央ブライアンはパリ五輪前に大きな決断を下した。

 2019年にトップ昇格をせずにポルトガル1部の名門クラブであるベンフィカに移籍。U-23チームでプレーし、22-23シーズン以降はトップチームに帯同するチャンスも掴んだ。そしてパリ五輪メンバー発表後の今年7月11日、ベルギー1部シント=トロイデンへの完全移籍が発表された。この移籍は彼にとってヨーロッパの1部リーグで守護神の座を掴み取ってプレーするという覚悟の表れでもある。

 今、Jリーグを経由せず高校卒業後の10代のうちに海外クラブへ移籍するパターンは珍しくない。もちろん、Jリーグを2、3年経験してから海外に出て大成功を収めるケースは、高卒即で行くよりも数多くある。それゆえに「Jリーグを経由してからでいいのでは」という声も根強くあるが、小久保に関してはすぐに海外に飛び出してもいい才能の1人だと感じる。

 理由は彼が海外にルーツを持つことで、身長193センチのサイズと長い手足、そしてずば抜けた身体能力を持っている。柏レイソルのアカデミーで育った彼は、着実にGKとしての基礎技術を身につけて行った。

 もちろん、順調に成長して行ったわけではなく、柏U-18時代はプレーの波が激しく、出番を掴めないことも多かった。高校3年生で正GKを掴んでからも、試合中にプレーの波が崩れることもあった。

 だが、その度に「常に冷静にやらないといけない。戦う気持ちはもちろん失ってはいけないけど、やっぱりGKは最後の砦だからこそ、冷静になるべきところはならないといけない」と自分に言い聞かせながらやったことで、経験した失敗が次々と彼のプレーの土台になっていった。