【高校野球】郁文館、接戦制し3回戦進出 前常総学院指揮官の佐々木力監督が夏初采配

AI要約

郁文館が正則学園を7−6で競り勝ち、逆転勝利を収めた。

西中晴樹捕手が主将として活躍し、決勝点を挙げた。

佐々木監督は次戦に向けて意気込みを示し、チームを率いる意欲を見せた。

【高校野球】郁文館、接戦制し3回戦進出 前常総学院指揮官の佐々木力監督が夏初采配

◆第106回全国高校野球選手権大会 東東京大会 ▽2回戦 郁文館 7―6 正則学園(9日・神宮)

 郁文館が正則学園に7―6で競り勝った。

 粘り強くリードを奪い返したのは、3点を勝ち越された7回裏だった。1死二、三塁、左足首の複雑骨折から3週間前に復帰したばかりの西中晴樹捕手(3年)が中前適時打を放ち、2点を挙げる。頼れる主将の一打で1点差に迫ると、なお2死二、三塁では5回までマウンドに立った先発の小島伸義内野手(3年)が右中間三塁打。さらに2点を加え、逆転に成功した。

 佐々木力監督は、「気負いが出てしまって、前半はかみ合わなかったけど。よく選手は我慢しながら自分の仕事をきちっとしてくれた。チームが全然諦めていなかったので、上まで勢いよくいけるかなと」と、笑顔で振り返った。攻撃では小技を絡めてチャンスを作り、守備ではミスがありつつも互いがカバーしながら接戦をモノにした。

 取手二では選手として1984年夏の甲子園を制覇し、常総学院(ともに茨城)の監督としては春夏計6度甲子園に導いた佐々木監督は、郁文館では夏初采配。「東京はなかなか勝てないのを実感した。ホッとしてます」と本音も出た。決して強豪校ではなかったが、学校側から話を受け、「甲子園、もう一度行きたいなって。関東ナンバーワンの激戦区にチャレンジしてみたい」と決意し、今年1月に監督就任。3年生はレギュラーの中でも大学で野球を続ける意思を持っている選手は現時点で3人と少ないが、できる限りのことを伝えてきた。選手の食生活にも改善を施すなど、力を入れており、「ある程度のレベルにはなってくれている。3年生も半年でよくついてきてくれた」と目を細める。

 今年から学校理事長直筆の「郁文館」の文字が入った新ユニホームに新調。最高成績は2019年の東東京ベスト16だが、学校の本気度も伝わる。次戦は東亜学園と昭和鉄道の勝者と対戦。指揮官は、「次も勝ってシード校にチャレンジしたい。楽しみです」と再び気合を入れた。(雑誌『報知高校野球』取材班)