頭部死球で1カ月間の安静、恐怖克服しタイムリー 鹿屋農・杉浦選手

AI要約

鹿屋農の杉浦照選手が試合で活躍し、1カ月の離脱から完全復活を果たす。

杉浦選手は怖さを克服するために特訓を積み、復帰後も安打を放ち続ける。

杉浦選手の奮闘がチームを盛り上げ、期待を高めている。

頭部死球で1カ月間の安静、恐怖克服しタイムリー 鹿屋農・杉浦選手

(8日、第106回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦 鹿屋農8-1甲南)

 一回裏、鹿屋農の攻撃。2死一、二塁で杉浦照選手(3年)に打席が回ってきた。2ボール後、3球目の直球を振り抜くと打球は右前に転がり、2点目が入った。

 杉浦選手が全県レベルの大会に出場するのは、5月末のNHK旗準々決勝以来。その試合で相手の左投手から頭部に死球を受けた。その場に倒れたまま動けず、救急車で搬送された。その日のうちに退院したが、脳振盪(しんとう)の疑いという診断で医師から1カ月の安静を言い渡された。

 「野球ができない間は、声出しで盛り上げたり、練習の手伝いをしたり。自分のプレーを分析してスローイングの改善策を考えた」と振り返る。

 1カ月後に練習を再開し、練習試合にも出たが、相手の左投手に恐怖を覚えた。怖さを克服するために取り組んだのが、150キロに設定したピッチングマシンでの打撃練習。そして心がけたのが、最初のストライクから振っていくことだった。

 2打席目も右前安打を放ち、「取り組みの成果が出ました。恐怖感もありません」。完全復活を印象づけた。(宮田富士男)