大谷翔平「同じように構えて、同じ位置に立つのが一番大事」新ルーチンで見えたイチロー以来日本人2人目の200安打

AI要約

大谷翔平投手がロッキーズ戦で4試合連続でマルチ安打と打点を記録し、満塁で3点を奪う活躍を見せる。

打点を重ねる中、新たなルーチンやスパイクを導入し、秋の無双モードに突入する大谷。

日本人選手として200安打到達が近づき、ポストシーズンに向けて着実な成長を見せる大谷翔平。

大谷翔平「同じように構えて、同じ位置に立つのが一番大事」新ルーチンで見えたイチロー以来日本人2人目の200安打

◆米大リーグ ロッキーズ7×―6ドジャース(19日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が19日(日本時間20日)の敵地・ロッキーズ戦に「1番・DH」で出場し、5打数2安打3打点で4試合連続でマルチ安打と打点をマークした。2回2死満塁では左中間へ走者一掃の3点二塁打。満塁では今季5打席目で初安打だった。メジャー通算安打は774となり、青木宣親(現ヤクルト)に並ぶ日本人歴代3位に浮上。シーズン198・2安打ペースとし、イチローに次ぐ日本人2人目の200安打達成も見えてきた。

 好機で力が入っても、今の大谷には関係なかった。3点を追う2回2死満塁の2打席目。カウント1―1から先発右腕・フェルトナーの高め96・5マイル(約155・3キロ)直球を迷いなく振り抜くと、打球速度108・5マイル(約170・3キロ)で左中間にはじき返し、3人が生還する一時同点の適時二塁打となった。

 好調の波に乗って、呪縛(じゅばく)を解いた。今季、満塁では4打数無安打だったが「しっかり甘いボールを(捉えて)結果的に(走者を)全員かえすことができたので、いい打席だった」。本塁打を除く満塁一掃打は21年4月9日の敵地・ブルージェイズ戦以来3年ぶり。得点圏では今季1本塁打、打率2割3分4厘と苦しんできたが、4戦連続打点と勝負強さを取り戻した。

 左手を骨折したベッツの離脱に伴い、3試合連続1番起用。「あまりそこまで(打順は)意識しないようにしている」と言うが、4試合連続マルチ安打と切り込み隊長としての役割も果たす。リーグ2位の93安打は、162試合換算で198・2安打ペース。日本人ではイチローしか到達していない大台も視界に捉えた。

 米通算774安打とし、青木に並ぶ日本人3位に浮上。調子を上げた裏には新たなルーチンがある。14日の本拠・ロイヤルズ戦から打席に入った際、バットを地面と平行に寝かせて、本塁からの距離を測り、立つ位置を確認している。打撃で最も重要なのは「構え」と強調してきた大谷は、「同じように構えて、同じ位置に立つのが一番大事。球場によって(ボックスの)ラインの太さが違ったりするので(立ち位置が)ずれないようにしたい」と目的を明かした。11日からは「かっこいい」と青基調の新スパイクも導入。日々最善を尽くし、得意の6月に無双モードに突入しつつある。

 同点の8回2死一、二塁では3球で見逃し三振に倒れ、その後にチームはサヨナラ負け。「バットに当てることが最優先だった」と反省も忘れなかった。「ドジャースという球団のラインアップに慣れることがポストシーズンに向けて大事」。常勝軍団の先頭に立つ男は、すでに実り多き秋をイメージして戦っている。(安藤 宏太)

 ◆日本人の200安打 達成者はイチローのみ。04年にシーズン史上最多の262安打を放つなど、米1年目の01年から10年連続10度達成。イチロー以外で最も近づいたのは、05年松井秀喜(ヤンキース)の192安打。大谷は22年の160安打が自己最多。昨季はアクーニャ(ブレーブス)、フリーマン(ドジャース)、アラエス(マーリンズ)の3人だけだった。