著しい関西学生のレベル向上…「生駒山ダービー」では得点王とアシスト王が対決 北川信行の蹴球ノート

AI要約

関西学生サッカー連盟の加盟大学出身の新人選手がJリーグクラブで活躍中。濃野公人や倍井謙など、多くの選手が既にデビューを果たしている。

大卒新人が多く出場したJ3の試合では、百田真登や沢崎凌大などが活躍。試合は0-0のスコアレスドローとなり、選手たちは刺激を受け合っている。

百田は得点を取ることに意義を感じ、同じピッチに立った大学時代のチームメートと交流。沢崎は守備面での課題を克服し、チームに貢献する選手を目指している。

著しい関西学生のレベル向上…「生駒山ダービー」では得点王とアシスト王が対決 北川信行の蹴球ノート

関西学生サッカー連盟の加盟大学からJリーグクラブ入りした大卒新人の活躍が目立っている。J1鹿島アントラーズに加入したDF濃野公人(関西学院大)が17試合に出場して5得点をマークし、右サイドバックとして定着しているのをはじめ、名古屋グランパスのアカデミー(育成組織)出身で、大学を経てトップチームへの〝昇格〟を果たしたMF倍井謙(関西学院大)も15試合で2得点。このほか、アルビレックス新潟のMF奥村仁(関西福祉大)が8試合1得点…など、Jリーグクラブに入団した25人のほとんどが既にデビューを果たしている(記録はすべて6月10日現在)。

■得点王とアシスト王

2日に東大阪市花園ラグビー場で行われたJ3、FC大阪と奈良クラブの「生駒山ダービー」には多数の大卒新人が出場。奈良クラブからはJ3の得点ランキングで10位タイにつける昨季の関西学生リーグ得点王、百田真登(関西大)が先発出場した。FC大阪は、プロ入り後にボランチ(守備的MF)のポジョンをするようになった昨季の関西学生リーグアシスト王のMF沢崎凌大(大阪学院大)が先発メンバーに名を連ね、百田らと対峙(たいじ)。試合終盤には、百田と大学時代のチームメートだったMF堤奏一郎(関西大)やMF夏川大和(京都産業大)もピッチに立った。

試合は互いに譲らず0-0のスコアレスドローに終わった。後半15分に退いた奈良クラブの百田は「僕が試合に出ている意味は得点を取るところだと思うので、まだまだ力不足かなと思います」と悔しさをにじませつつ、「(大学でチームメートだった)堤と最初の対戦で同じピッチに立つというのは目標にしていました。僕が早く代わって実現できなかったのですが、感慨深いものはありました」と心境を吐露。試合後に堤とユニホームを交換したことも明らかにした。

また、濃野や、大学時代のチームメートでJ1湘南ベルマーレで7試合に出場しているDF高橋直也(関西大)の名前を挙げて「すごい刺激はもらっていますし、僕も点を取っていかないといけないと思わせてくれるので、すごくありがたい存在」と強調した。

一方、この試合で初のフル出場を果たしたFC大阪の沢崎は「90分走り続けて結果を残し、チームに貢献する選手になっていこうと思います」と今後への決意を表明。新たに取り組んでいるボランチのポジションについては「意識しているのは長所の攻撃で、リズムを組み立てるところですが、最近は守備での球際やセカンドボールの回収は特に意識しています。攻撃はある程度いいのですが、守備の面で苦労しています。今もまだまだですが、慣れてきたかなと思います」と手応えを口にした。