白熱するPFP論争 井上尚弥を1位としなかった米記者の意見とは?「最高の才能がいる時代だ」「ウシクは並じゃない」

AI要約

群雄割拠のボクシング界において、誰が「最強なのか」という議論が繰り広げられている。3人の“王者”ウシク、クロフォード、井上の存在が話題となっている。

階級を超えた格付けランクPFPにおいて、井上が1位に選ばれたが、記者たちの間でも意見が分かれている。クロフォードの無敗記録やウシクの驚異的な才能も高く評価されている。

ウシク、クロフォード、井上という異次元の猛者たちが肩を並べ、PFP論争が続く中でも、井上の異能性が際立っている。

白熱するPFP論争 井上尚弥を1位としなかった米記者の意見とは?「最高の才能がいる時代だ」「ウシクは並じゃない」

 群雄割拠のボクシング界において、今、誰が「最強なのか」という議論が一部メディアで白熱している。

 論争の中心にいるのは3人の“王者”。オレクサンドル・ウシク(ウクライナ/現ヘビー級)、テレンス・クロフォード(米国/現スーパーウェルター級)、そして井上尚弥(大橋/現スーパーバンタム級)だ。彼らはいずれも史上3人しかいない2階級での4団体統一を成し遂げた歴史的な猛者である。

 いずれも技術、精神力、そしてタフさを兼ねる偉才だ。ゆえに鵜の目鷹の目の識者やメディアの間でも「最強」を巡る意見は錯そうしている。

 そうしたなかで、米ボクシング専門サイト『Bad Left Hook』が階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新版を公表。5人の記者の投票結果の末に、世界スーパーバンタム級4団体統一王者に君臨する井上を1位に据えた。

 もっとも、日本のモンスターに1位票を投じなかった記者もいる。彼らの主張も実に興味深い。

 40戦無敗(31KO)を誇るクロフォードに最高評価を与えたウィル・エスコ記者は「偏った見方かもしれないが、私は自分の衝動と戦うために、少なくとも次の試合を見るまでは、クロフォードを1位にしておこうと思う」と明言。さらに「3人が同時に1位にいてもおかしくない正当な理由がある。今のところ、明確に単独1位というのは存在しない。今は階級を超えた最高の才能がいる時代だ」と強調し、3人に大差がないと論じた。

 また、「PFPはその性質上、順位変動が激しい」としたルイス・ワトソン記者は、自身がウシクを1位、井上を2位、クロフォードを3位とした自身のランキングについて「まさに『どれにしようかな?』という状態だった」と告白。そして、こう続けている。

「イノウエの破壊的なパフォーマンスは見事だったが、あらゆる指標で自身よりもオーバーサイズだった男を止めたウシクは普通じゃなかった。クルーザー級選手が階級統一し、そこからヘビー級に進むというこれほど珍しいことを、並の業績として扱うべきではない」

 話題が尽きそうにないPFP論争。その中でウシク、クロフォードという異次元の猛者と肩を並べて評価されている井上は、やっぱり異能だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]