たったの0.5秒で「375+6731+1027=8132」の”間違い”に気が付く《東大式》超便利な「頭の使いかた」

AI要約

偏差値35から2浪して東大に逆転合格した経験から編み出した独自の勉強法を書籍化した『東大算数』。

西岡壱誠さんが、偶数と奇数の理解を通じて算数を簡単に解く方法や応用例を解説。

偶数+奇数=奇数、奇数+奇数=偶数などの法則性を理解し、問題解決に活かすポイントを紹介。

たったの0.5秒で「375+6731+1027=8132」の”間違い”に気が付く《東大式》超便利な「頭の使いかた」

偏差値35から2浪して東大に逆転合格した経験から編み出した独自の勉強法を書籍化した『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』とシリーズ45万部超えのベストセラー著者の西岡壱誠さんが、初の理系分野にチャレンジした『東大算数』。

東大生は、どんな風に算数を勉強していたのか、掛け算をどう覚えて、割り算をどう理解しているのか、その理解が数学の勉強や日常生活の場面でどう活かせるのか?『東大算数』より一部抜粋・編集してお届けします。

「偶数と奇数を知らない」という人はほとんどいないと思います。

「1、3、5、7、9……・・」などが奇数で、「2、4、6、8、10…………」などが偶数ですね。整数は、偶数と奇数が繰り返されている数になります。

これらを理解している人はとても多いと思うのですが、しかし偶数と奇数をきちんと深く理解している人って、実は少ないんです。

偶数・奇数は、理解すればするほど数に強くなれる。とても素晴らしいものなのです。

まず、偶数というのは2の倍数です。ですから偶数は2で割れるし、分解したときに2を使った掛け算が出てくるということになります。どんなに数が大きくても、偶数であればかならず、2の倍数になるのです。

逆に、奇数というのは、なんの倍数になっているのか、どんな約数を持っているのかについて、あまり法則性がありません。

でも、2より大きい素数は、すべて奇数であることがわかります。偶数だったら、少なくとも2で1回は割り切れてしまいますので、素数で偶数のものは2以外にはないのです。

この性質を理解しておくと、足し算や引き算にも応用して使うことができます。たとえば、こんな問題があったとしましょう。

Q 7人でジャンケンをしている。いま、7人の手の伸ばしている指の数を数えたら、合計が13本だった。このとき、グー・チョキ・パーはそれぞれ何人ずつだろうか?

7人もいるので、組み合わせの数はかなり多いですね。しかしこの問題は、偶数と奇数を理解していれば、とても簡単に解くことができます。

ところで、偶数と奇数との足し算において、こんな法則が成立するのを知っていますか?

偶数+奇数=奇数

奇数+奇数=偶数

偶数+偶数=偶数

先ほどお話したとおり、偶数は2の倍数になる数ですが、奇数はそうではありません。

たとえばこのように、「〇」で数を表すとしましょう。

偶数は、「〇〇/〇〇/〇〇/〇〇/〇〇」のように、2個の〇〇のぺアを作ることができます。

ですが、奇数は「〇〇/〇〇/〇〇/〇〇/〇〇/〇」のように、2個の〇〇のペアをつくっていくと、かならず1個、〇があまるのです。

さて、これらを足し合わせることを考えましょう。

まず「偶数+奇数」は「〇〇」のペアをつくっていっても1個あまる状況は変わりませんので、「偶数+奇数=奇数」になります。

「偶数+偶数」は「〇〇」のペアをつくっていってもあまることはありませんので「偶数+偶数=偶数」になります。

「奇数+奇数」は「〇〇」のペアをつくっていくと、お互いにあまっている「〇」同士のペアをつくることができるので「奇数+奇数=偶数」になります。

「奇数」の奇は、「奇妙」の奇です。要するに、「変」ということですね。偶数だったらペアができてあまりがないのに、奇数があるとあまってしまうから「変」。

そして「奇数+奇数」であれば、そのあまり同士がくっつくから、偶数にもどるということです。

ですから、「奇数+奇数+奇数」はまた奇数になり、「奇数+奇数+奇数+奇数」は偶数になります。