大雨で全線不通のJR美祢線「自社単独での復旧は困難」…JR西日本広島支社長「相当な費用」

AI要約

山口県のJR美祢線が昨夏の大雨で被災し全線不通となっており、JR西日本は自社単独での復旧が困難とする見解を示した。

高額な費用や利用者低迷を理由に代替案の検討部会の設置を沿線自治体に求めたと発表した。

復旧後の見込まれる輸送密度が低く、沿線自治体や協議会との議論が進められることになっている。

 昨夏の大雨で被災し全線不通となっている山口県のJR美祢線について、JR西日本は29日、「自社単独での復旧は困難」との見解を示した。高額な費用や利用者低迷を理由に挙げ、代替案を議論する検討部会の設置を沿線自治体に求めた。

 沿線の3市や観光・商工団体で構成する美祢線利用促進協議会(事務局・美祢市)の総会で、広岡研二・広島支社長が表明した。

 美祢線は県内を南北に結ぶ路線で、不通となっているのは厚狭(山陽小野田市)―長門市駅(長門市)間の全長46キロ。鉄橋の崩落や盛り土の流出など計80か所で被害が確認されている。

 広岡支社長は、「相当な費用」が見込まれることに加え、沿線を流れる厚狭川の改修に十年単位の時間がかかると指摘。また、協議会で試算した復旧後の輸送密度(1キロ当たりの1日平均の利用者数)が最大1292人で、同社が存廃議論の目安とする2000人に届かなかったと説明した。

 広岡支社長は「(検討部会で)できるだけ早く議論して地域にふさわしい公共交通を実現したい」と述べた。沿線自治体は復旧を求めてきており、協議会会長の篠田洋司・美祢市長は「重く受け止め、持ち帰って検討したい」と答えた。