「もうやりたくないけど…」「肥料もして、薬もやって、お金をかけてるから…」半世紀以上 米作りの農家も「初めて経験」 『塩害』か 3日前に植えた苗も腐る現状…

AI要約

青森県おいらせ町の水田で異変が起き、稲が塩害で枯れている。地元農家は初めての被害に頭を抱えており、県や町で調査が行われている。

暖冬や雨不足により川の水位が低下し、海水が逆流して水田に入り、塩害を引き起こした可能性がある。農林水産部は根が出ていない異常な状況に危機感を示している。

塩害被害で2024年の稲が枯れるだけでなく、2025年までは作付けができなくなる危険がある。県は原因を究明するための調査を進めている。

「もうやりたくないけど…」「肥料もして、薬もやって、お金をかけてるから…」半世紀以上 米作りの農家も「初めて経験」 『塩害』か 3日前に植えた苗も腐る現状…

青森県おいらせ町の水田。本来であればこの時期、農家は実りの秋を目指して成長を見守りますが、2024年は異変が起きています。稲が相次いで変色して枯れています。「塩害」の被害と見られていて半世紀以上こめづくりをする農家も「初めてで経験もない」と頭を抱えています。

調査の様子

「苗が白くなっているので、多少なりとも影響が出てるものと思います」

稲が枯れる被害が確認されたのは、おいらせ町日ケ久保地区の水田です。先週金曜日(5月24日)に稲枯れが発覚し、被害は約15ヘクタールに上ると見られいてます。29日は県や町による調査が行われ、稲が相次いで黄色く変色し、枯れていることがわかりました。

この地区は明神川の河口に位置していて、川の水を農業用水として使っていますが、県によりますと、暖冬で積雪が少なかったことや雨もあまり振らなかったことで例年より川の水位が1mほど低くなっています。

そのため満潮時に海水が逆流して水田に入り、「塩害」を引き起こした可能性があると見ています。

上北地域県民局地域農林水産部 船水秀樹総括主幹

「根が出てない様であれば今後生育の回復は見込めないこのまま苗が枯れてしまって何も出来なくなるということが心配」

この地区で、55年間に渡って農業を営むベテラン農家も頭を抱えます。

おいらせ町日ケ久保地区の農家は

「初めてだし、経験もないし、根を出してないんですよ。腐ってる。腐ってるからこれだって枯れてしまう」

3日前に植えたばかりの苗の根も、既に腐ってしまいました。

おいらせ町日ケ久保地区の農家は

「肥料もして、薬もやって、お金をかけてるから、もうやりたくないけど…。でもやったからには、何とか良くなるかなと思って…」

塩害被害であれば、2024年の稲が枯れるだけでなく、少なくとも2025年までは作付けができなくなる危機的な状況に陥ります。

県は29日の調査で、採取した土壌や水質サンプルを分析し、原因の究明を進めるとしています。