公共施設の太陽光発電PPA開始 苫小牧市市とエネコープ

AI要約

苫小牧市は今年度、公共施設で太陽光発電設備を導入し、ゼロカーボンシティ宣言に基づく新規事業を展開している。

太陽光発電設備は第三者所有モデルを活用し、市と事業者の双方に利点がある。

複数の事業者が施設ごとに太陽光発電事業を展開しており、市は再生可能エネルギーを積極的に活用している。

公共施設の太陽光発電PPA開始  苫小牧市市とエネコープ

 苫小牧市は今年度、公共施設でPPA(電力購入契約)方式により太陽光発電設備を導入した。2050年までに二酸化炭素(CO2)の実質排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」宣言に基づく新規事業で、計画10施設中7施設ですでに各事業者が発電事業を展開。28日は燃料小売業エネコープ(札幌市、五十里浩輔社長)が発電を担う市第2学校給食共同調理場(美原町)で、事業開始の記念セレモニーが行われた。

 太陽光発電設備の導入は、第三者所有モデルを活用した取り組み。事業者が太陽光パネルなどを公共施設に設置し、市が電力を長期間にわたって購入するPPA方式。事業者は初期費用を支払うが長期的に安定した収入が確保でき、市は電気代以外の負担なく再生可能エネルギーを使えることがそれぞれの利点だ。

 同社は4月から、同調理場をはじめ、▽道の駅ウトナイ湖(植苗)▽アブロス沼ノ端スポーツセンター(北栄町)▽第1学校給食共同調理場(柳町)―の計4カ所で発電事業を展開。太陽光パネル計1672枚を設置し、最大で一般家庭約100世帯分・約48万キロワット時発電できる。市が全量を購入して各施設の電力として使い、必要電力の2割程度を賄う。今年度から20年間契約を結んだ。

 28日にセレモニーを市第2学校給食調理場で行い、発電設備を報道公開した。同調理場では、屋上に太陽光パネル360枚を設置し、発電量は最大年間約12万キロワット時。災害時の避難施設として蓄電池(15キロワット)も用意。有事の際の事務所機能の継続や、避難した住民への電力供給にも用いる。

 セレモニーで五十里社長は「安全で信頼できるエネルギーを安定的に届け、CO2削減に貢献していきたい」と意欲を見せ、山本俊介副市長は導入の背景に触れて「まずは公共施設で再生可能エネルギーを利用していく」と説明。市は今後も太陽光発電設備の導入施設を増やす考えだが、老朽化で太陽光パネル設置が困難な施設もあり、「広げられるところは広げたい」としている。

 また、太陽光発電事業などを手掛けるサニックス(福岡市)とも今年度から同様の取り組みを展開。同社は6施設を担い、▽苫小牧東小中学校(旭町)▽苫小牧啓北中学校(啓北町)▽苫小牧青翔中学校(拓勇東町)―の3カ所ですでに発電を開始。▽市役所本庁舎(旭町)▽市消防本部(新開町)▽高丘霊葬場(高丘)―の残り3カ所で工事を進めている。