若者集う場中心街で充実 松本市が施設開放、活性化期待

AI要約

長野県松本市の中心市街地で若者向けの「第3の居場所」の創設が進められている。

市中央公民館やまつもと市民芸術館など、各施設が若者の要望に応えるために取り組んでおり、利用者数は増加している。

この取り組みは、中心市街地の活性化策の一環として重要視されている。

若者集う場中心街で充実 松本市が施設開放、活性化期待

 長野県松本市の中心市街地に若者が集える場所をつくろうと、市の各施設で取り組みが進められている。市政に市民の意見を届ける「市長への手紙」にも中心市街地に居場所が欲しいとする若者の声が寄せられており、学校帰りに仲間と集まったり勉強したりできる「第3の居場所」づくりへ、各施設が模索している。

 伊勢町(中央1)のMウイング2階の学習スペースを管理する市中央公民館は、昨年7月のリニューアル以降、ホワイトボードやQRコードで若者の要望把握に努めてきた。荷物入れやブランケット、参考書をそろえ、飲食できる時間を設けた結果、1カ月の利用者はリニューアル前の2~3倍に上る1000~1500人になった。2月のアンケートでは9割以上が「良くなった」とした。

 先月には利用する高校生の発案で、カフェでくつろいでいるように過ごしながら勉強する「放課後お勉強会」も開いた。中心になって取り組んできた同公民館の清水春生主事は「学校と駅の間のエリアに、もう一つの居場所をつくりたいとの思いでやってきた。さらに改善していきたい」と語る。来春の大学受験を目指して予備校に通う荒深紘太さん(18)は「他にも勉強できる場所はあるが、一番使いやすい」と評価する。

 まつもと市民芸術館(深志3)でも、2階のレストランだった場所を昨年4月にオープンスペースとして開放し、周辺の高校生らが学校帰りに立ち寄っている。松商学園高校3年の女子生徒(17)は「静かで居心地が良く気に入っている」と話す。毎週来るという信州大学人文学部4年の青木誠治さん(24)は「フリーで長時間使える場所は貴重」とした。

 市街地ではほかに、市中央図書館(蟻ケ崎2)や市立博物館(大手3)、大手公民館(同)などにも若者が集まっており、需要は多い。市は大型店閉店に伴う中心市街地活性化策を模索しているが、その中では、若者が安心して集える居場所づくりも重要なポイントになりそうだ。