「日常が突然、一方的に砕かれる。戦争の不条理」フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんが講演

AI要約

フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが中東の紛争地で撮った写真や取材体験を通じて、暴力や苦難に直面する人々の営みを紹介し、世界中の支援や連帯の重要性を訴えた。

彼女は難民や災害を取材する中で、「暴力は繰り返されてはならない」という願いを持ち続けていることを強調しました。

さまざまな取材体験を通じて、人々の善意や連帯の力、そして戦争による破壊と不条理の現実に触れ、世界が支え合いながら成り立っていることを実感する姿勢を示しました。

「日常が突然、一方的に砕かれる。戦争の不条理」フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんが講演

 国内外で活動するフォトジャーナリストの安田菜津紀さん(37)の講演会が、京都府福知山市内記のハピネスふくちやまであった。中東の紛争地で撮った人々の営みを紹介し「遠い国だからこそできることがある」と呼びかけた。

 安田さんは難民や貧困、災害をテーマにした取材について「誰に対しても、どんな場所であっても(暴力が)繰り返されてはならないという願いを込めて続けている」と強調した。

 パレスチナ自治区ガザを取材した際、東日本大震災の復興を願う子どもたちが学校で凧(たこ)を制作していたという。一方、国内外から復興支援を受けた岩手県陸前高田市の避難生活者が、厳しい冬を迎えるシリアに子ども服を送ったことも紹介。「(受けた恩を別の人に送る)恩送りの連鎖の中で世界は成り立っていると実感した」と振り返った。

 自宅前で遊んでいた際に砲撃を受け、兄と自身の右足を失ったシリア人の少女との交流に触れ、「当たり前だった日常が突然、一方的に粉々に砕かれていく。そこに戦争の不条理がある」と語った。