無鑑査で会友の辻田さん、畑さん 二科展絵画部門で出品 三重・松阪地区

AI要約

第108回二科展が、16日まで東京都港区六本木の国立新美術館で開催中。絵画部門には三重県からの作家が参加し、サイをモチーフにした作品やサトイモを擬人化した作品が展示されている。

辻田悦子さんはサイをモチーフにした作品で知られ、今回も青色と白色を用いた作品を展示。一方、畑すづ子さんはサトイモをモチーフにした心象絵画を展示し、太陽の下でサトイモの母親が子供たちを慈しんでいる様子を描いている。

二科展では絵画、写真、彫刻、デザインなどの部門があり、巡回展も予定されている。

無鑑査で会友の辻田さん、畑さん 二科展絵画部門で出品 三重・松阪地区

 第108回二科展が、16日まで東京都港区六本木の国立新美術館で開かれており、絵画部門は三重県松阪地区から、会友の松阪市清生町の主婦・辻田悦子さん(61)の「コバルトXⅡ」と「コバルトXⅢ」、同じく会友の多気郡明和町金剛坂の主婦・畑すづ子さん(80)の「化身(慈しみ育てる)」(いずれもF100、油彩)が無鑑査で出品されている。巡回展は10月22~27日に愛知県美術館ギャラリーなどで開かれる。

 二科展は公益社団法人二科会主催の美術展覧会。絵画、写真、彫刻、デザインの部門がある。

 辻田さんは名古屋市の東山動植物園で見たサイの迫力に感動し「この迫力を表現したい」と、2008(平成20)年の第93回から一貫してサイをモチーフにした作品を手掛けている。14(同26)年の第99回で特選を受賞、第100回で会友に推挙され、昨年は会友賞を受賞した。

 今回の「コバルトXⅡ」は、青空に雲のかかる地球を鮮やかな青色のセルリアンブルーと白色で表現した。背景は5色を混ぜて作った赤色。サイの目はたかぶっており、「世界中で戦争が起こる中、日本もこの先はどうなるか分からない」と平和への思いも込められている。「コバルトXⅢ」は前回の受賞作を昇華させたもの。プルシアンブルーを使い仕上げた。

 今後について「作品を掘り下げて、要らないものを削る。自分の良いところを大切にして、さらに磨いていきたい」と話す。

 畑さんは約15年前からサトイモを擬人化したモチーフで、独自の心象絵画を描いてきた。今回は「化身(慈しみ育てる)」を出品。心地良い太陽の下でサトイモの母親がたくさんの子供を慈しみ育てている様子を表現した。「頭の中で構想を練ったら、一気にキャンパスに描いて仕上げていきます。彩色は思い付き。自分の気持ちをサトイモを通じて描くのが楽しい」とし、「サトイモ一本。これからもサトイモにイメージを湧かせて面白く描いていきたい」と意気込みを語る。