街を疾走するエコ時代のモビリティー VC FUKUOKA佐藤監督と考える自転車ロードレースとツール・ド・九州の盛り上げ方…

AI要約

福岡を拠点に活動する自転車ロードレースチーム「VC FUKUOKA」の佐藤信哉監督が自身の競技への情熱やチームの活動を紹介。ゼミ生たちは彼らの話を聞き、国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州」の宣伝や応援方法を考える。

チームの設立経緯や選手の活躍、ツール・ド・九州のレース魅力などが語られ、競技の面白さや国内外での自転車ロードレースの人気について触れられる。

学生たちはイベント集客や地域活性化に向けたアイデアを出し合い、伝統のない日本での自転車ロードレースの普及に向けて模索。築城昌拓さんの問いかけや佐藤信哉監督のフィードバックを受けながら、活発な意見交換が行われた。

街を疾走するエコ時代のモビリティー VC FUKUOKA佐藤監督と考える自転車ロードレースとツール・ド・九州の盛り上げ方…

 西スポWEB OTTO!の第2期学生スポーツゼミ第4回が西日本新聞天神南ビル(福岡市)で開かれた。

 ゲストは福岡を拠点に活動する自転車ロードレースチーム「VC FUKUOKA」の佐藤信哉監督(46)。ゼミ生たちは、チーム運営会社の代表も兼ねる佐藤さんと、今回のゼミ講師を務めた築城昌拓さん(7人制ラグビー日本代表元主将、OTTO!特別アドバイザー)の話に耳を傾け、10月に迫った国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州」を広く周知し、VC FUKUOKAへの応援を盛り上げる方策を探った。

 ■スピード感に魅せられて

 「大濠公園(福岡市)をロードレースの自転車で流してみて、そのスピード感に魅せられた」

 佐藤さんは自身が競技にのめり込んだきっかけをこう振り返った。膝の大きなケガをして担当医師にリハビリとして自転車を勧められ、転勤先の福岡で自転車に乗り始めた。

 2010年、福岡で開催されたツール・ド・フクオカ。宇都宮ブリッツェンやマトリックスパワータグなどの国内トップチームが走る姿を見て「すごい!自分もここで走りたい!」との気持ちを膨らませた。

 第一線で競技を始めたのは30歳すぎ。当初は大手企業のサラリーマンとの二足のわらじだった。それからの行動、情熱が人並み外れている。

 仕事の傍らトレーニングに取り組み、競技歴2年でJプロツアーの登竜門となるJエリートツアー個人年間成績準優勝。幼少期から野球やサッカーに打ち込み鍛えた脚力が持ち味だ。ついには会社員人生に見切りを付け、VC FUKUOKAを設立してプロアスリートに。2015年にはエリートツアーで個人年間総合優勝し、チームも実業団トップカテゴリーに昇格を果たす。

 ゼミでは、福岡、熊本、大分の3県を舞台に昨秋初開催されたツール・ド・九州の映像をモニターで見ながら、レースの魅力を感じることにした。

 北九州市の小倉城周辺を周回する「クリテリウム」(約45キロ)は、100人を超す選手らが市街地を高速で駆け抜ける迫力に一同驚く。

 佐藤さんによると「各チーム5人1組で走り、その中のエース選手を優勝させるための駆け引きが見どころ。最初に先頭を独走すると、向かい風の抵抗を受けるので後半に体力が残らない。かといって、集団の中で体力を温存した方が絶対に有利かというと、先頭がそのまま逃げることもある」という。

 なるほど、第一線の選手目線の解説を聞きながらレースを観戦すると、競技の面白さが違ってくる。佐藤さんによると、2024年大会の見どころの一つは、10月14日の福岡ステージ。岡垣町の岡垣サンリーアイから玄界灘を見渡す周回コースを9周し、「世界遺産」宗像大社でフィニッシュする高速周回コースだ。中でも選手が峠道を苦しみながらゆっくりと進む垂水峠付近がオススメという。

 欧州では自転車ロードレースは人気競技で、ツール・ド・フランスは五輪やサッカーのワールドパップに並び称させるスポーツイベントである。

 「自転車はスポーツツーリズム、エコな時代に即した移動手段として地域活性化に役立つ。天神を走っているチャリチャリのようなレンタル自転車がパリではずいぶん前からたくさん利用されていた」(佐藤さん)

 一方、日本ではまだ自転車ロードレースは競技としてのなじみが薄い。ゼミ講師の築城さんは学生たちに「若い人をどうしたら集客できるか、ゴール地点をどうやったら盛り上げられるか。考えて」と問いかけた。

 学生たちはグループに分かれて話し合い、それぞれのアイデアを発表した。各グループのアイデアに佐藤さんが感想を述べた。