乳がん切除せず治療「RFA」実施、岐阜県内2施設目 中部国際医療センター

AI要約

中部国際医療センターで行われた乳がん治療の新技術「ラジオ波焼灼療法」とは、乳房を切除しない方法で体への負担が少ない治療法である。

手術は1時間程度で行われ、痛みや入院期間が少なく、早期の社会復帰が可能。2018年から公的保険が適用されるようになり、県内では3施設で実施可能。

乳がんの定期検診の重要性も強調され、同センターでは啓発ブースを出展し、早期発見を呼び掛ける取り組みを行っている。

乳がん切除せず治療「RFA」実施、岐阜県内2施設目 中部国際医療センター

 中部国際医療センター(岐阜県美濃加茂市健康のまち1丁目)は3日までに、「切らない乳がん治療」と呼ばれる「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)」を行ったと発表した。県内では岐阜大病院(岐阜市)に次いで2施設目。乳房を切除する必要がなく、切除と比べて体への負担も少なく、乳がん治療の新たな選択肢として期待を集めている。

 RFAは、腫瘍が1・5センチ以下の早期乳がんが対象で、直径1~2ミリの細い電極針を乳房に刺してラジオ波による熱でがん細胞を焼く手術方法。乳房を切除する必要がなく、傷痕も小さくて済み、手術時間は1時間程度。術後の痛みはほとんどなく、入院期間は4日間程度で、早期の社会復帰も可能だという。昨年12月から公的保険が適用されている。日本乳癌(がん)学会が承認した施設で治療でき、県内では同センターと岐阜大病院、大垣市民病院のみ。

 同センターでの手術は8月23日にあり、乳腺外科の德丸剛久副部長(43)が担当し、県内の70代の女性を治療した。入院は2泊3日と短く、退院後初の29日の外来受診で女性は鏡で見て「こんなに小さい傷なの?もう(傷口保護の)テープを取ってお風呂も入っていいの?」と驚いたという。

 德丸副部長は「新たな治療オプションが増えることは、患者さんにも望ましい。腫瘍のサイズなど制限もあるので、乳がんの定期検診をしてほしい」と、早期発見の重要性を説く。

 同センターでは今月16日、イオンモール土岐(土岐市土岐津町土岐口)で乳がんの早期発見への啓発ブースを出展する。德丸副部長によるトークショーや胸の模型を使ったセルフチェックなどが行われる。