奇跡の救助…川に水没の車から高齢男性を外へ 羽島市消防が4人に感謝状 

AI要約

岐阜県羽島市消防本部が川で水没した車から高齢者を救助し、感謝状を4人に贈った

車が水没しており、危険な状況だったが、運良く身動きがとれない高齢者を助け出した

救助隊は迅速な対応で命を救い、救出後には車が完全に水没していることが分かった

奇跡の救助…川に水没の車から高齢男性を外へ 羽島市消防が4人に感謝状 

 まさに奇跡の連続―。岐阜県羽島市消防本部は29日、市内の川に水没した車の中で身動きがとれなくなっていた高齢者を救助したとして、20、30代の男性4人に感謝状を贈った。川面に車の屋根だけが見えるのを偶然見つけ、迅速に連携して助け出した。同本部は「発見が遅れれば、潮位の変化で溺れていた危険性が極めて高かった」とたたえた。

 感謝状を受けたのは、大阪市の歯科医師江川翔さん(38)、いずれも愛知県のフィッシングガイドの加木屋守さん(31)と中川瑠凱さん(21)、海津市の会社員安藤貴将さん(33)。

 救助のきっかけもまた、救助だった。先月末の夕方、江川さんが羽島市の長良川でボート釣りをしていたところ、ボートのエンジンが故障。加木屋さんらに連絡して助けを求め、別のボートで引っ張ってもらいながら、川を南進していた。すると、船着き場のスロープ付近で軽乗用車を発見。近寄ってみると、運転席に赤い帽子をかぶってサングラスをかけた人の姿を見つけた。意識はあるようだったが、首から下は完全に水に浸っていた。

 幸いにも車は窓が開いていたため、ドアを開けることができた。水没した軽乗用車の屋根を見かけて「ただごとではない」と通りかかった安藤さんも加わり、車から助け出した。

 軽乗用車に乗っていたのは、羽島市の男性(76)。低体温症になっており、救急車が到着するまでの間、着ていた服を体にかけたり、末端が冷えないよう足をタオルで巻いたりして、到着を待った。男性は救急搬送され、後日、無事に退院した。男性は車ごと川に漬かった原因を覚えていなかったが「ブレーキとアクセルを間違えたのかもしれない」と話していたという。

 「当日は小潮で、いつもより水位が低くなっていた」と加木屋さん。救助翌日には潮位が上がって車は完全に水没しており、発見が遅れていれば命に関わった恐れがある。羽島市竹鼻町丸の内、同本部で奥田豊消防長から感謝状を受けた江川さんらは「とっさの対応だったが、助かって本当に良かった」と話していた。