引退した小田急電鉄の「2200形」後世に 愛好家ら保存会、費用捻出へクラファン

AI要約

小田急電鉄の引退した電車「2200形」を保存するために愛好家らがクラウドファンディングを行っている。

2両が解体予定だったが、山梨県内から引き取り、永続的な保存・管理体制を整えたいという夢を持っている。

愛好家たちは以前にも車両の救出に成功し、今回も車両の保存を成功させるために協力している。

引退した小田急電鉄の「2200形」後世に 愛好家ら保存会、費用捻出へクラファン

 引退した小田急電鉄の電車「2200形」を後世に残そうと、愛好家らでつくる保存会がクラウドファンディング(CF)を行っている。解体予定だった2両を引き取り、山梨県内から搬出する費用などを募っている。保存会のメンバーは「貴重な文化遺産。永続的な保存・管理体制を整え、将来的には小田急沿線の地域に里帰りさせたい」と夢見る。

 2200形は1954年から製造され、高度経済成長期に通勤・通学車両として活躍した。82年から一部の車両が富士急行(現・富士山麓電気鉄道、山梨県)に譲渡され、97年に引退した。

 このうち、ペアを組んでいた2211号と2212号の2両は、同県内の企業事業所に引き取られ、社員の厚生施設として活用されてきたが、車両を置く敷地の事業利用が決まり、解体・撤去する話が持ち上がったという。

 ここに待ったをかけたのが愛好家たちだ。小田急の旧車両「1800形」の修復・維持に取り組む松葉実さん(64)=座間市=は「解体・撤去されれば、その姿を永遠に見られなくなってしまう」と危機感を抱いた。企業の担当者にCFを相談したところ、引き取りを前提に解体が延期されたという。

 松葉さんは、別の車両をCFで“救出”した実績を持つ。その際に知り合った今井美槻さん(32)=東京都=は「松葉さんたちが貴重な車両を守り抜いてきてくれた。バトンを次世代に引き継いでいかなければと思った」と話す。