救急現場に新システム 茨城県、搬送時間の短縮へ

AI要約

茨城県は12月、救急隊と医療機関の情報共有を可能にするOCRや画像共有システムを導入する。隊員が口頭で情報を伝える代わりにデータや写真を共有し、救急搬送の時間短縮に繋げる。

同様の仕組みは他県でも導入が進み、茨城県は新機能として追加する。システムは2023年までに実証実験を行い、搬送時間を短縮する効果を示した。

県は救急搬送の効率化を図るため、新システムの活用を進めている。

救急現場に新システム 茨城県、搬送時間の短縮へ

茨城県は12月、救急隊と医療機関の迅速な情報共有を可能にするOCR(光学的文字認識)や画像共有システムを新たに導入する。隊員が病院に口頭で患者情報を伝え、受け入れ要請する代わりに、免許証などを読み取ったデータや写真を共有することで、救急搬送の時間短縮につなげる。

県が21日の県議会保健福祉医療委員会で報告した。同様の仕組みは他県でも導入が進む。茨城県は医療機関と救急隊との間で受け入れ調整などに用いる「県救急医療情報システム」の新機能として追加する。

県医療政策課によると、機能は東京都内の企業が開発。タブレット端末のカメラを患者の免許証や保険証にかざし、氏名や住所などの情報を瞬時にデータ化する。救急車備え付けの心電図など「バイタルモニター」の数値も読み取り、患部や事故現場などを収めた写真の送信も可能。手入力で患者の症状を加えた上で病院側と共有するか、複数の病院に一斉照会する。

県は2023年までに一部地域で実証実験を行い、同様のシステムを使用しない場合に比べ0.5分短縮。写真共有の効果で、交通事故の患者搬送で8.8分短縮した。導入は12月1日を予定し、県内全24消防本部(局)で活用する。

22年の同県の平均救急搬送時間は前年比3.4分増の48.3分で全国に比べ1.1分遅い。県は救急搬送件数の増加が一因とみる。

同課は「搬送の効率化を図り、一分一秒でも早い治療につなげたい」としている。