「ミカン皮むき手術」に挑戦 高校生が医療職体験 済生会松阪総合病院 三重

AI要約

三重県松阪市朝日町一区の社会福祉法人恩賜財団・済生会松阪総合病院で高校生向けの医療職場体験イベントが開催された。

病院では様々な職種の職員が参加し、5つのコーナーで体験を行った。

特に模擬手術体験ではチームワークや協力が重要であり、学生たちにとって貴重な体験となった。

「ミカン皮むき手術」に挑戦 高校生が医療職体験 済生会松阪総合病院 三重

 三重県松阪市朝日町一区の社会福祉法人恩賜財団・済生会松阪総合病院(清水敦哉病院長)で6日午後0時45分から午後3時半まで、地域の高校生に医療の職場体験をさせるオープンホスピタルが行われた。県立松阪と松阪商業、相可、私立三重の4高校から計34人が参加した。

 病院側からは医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士、事務員合わせて46人の職員が参加。開会に当たり鶴森立美看護部長(59)が「病院の医療従事者はたくさんの職種の人がいるので、今は何をしようか漠然とした思いの人も、それぞれの専門職の人の話を聞いて、体験して、将来の夢に向かって頑張っていくきっかけにしてほしい」とあいさつした。

 会場には①進路相談・注射体験②内視鏡・エコーライブ③救急蘇生法体験④模擬手術体験⑤白衣体験──の5コーナーが設けられ、高校生が6、7人ずつ5班に分かれて巡った。

 模擬手術体験は、小さな穴から長い棒の先にはさみの付いた器具「鉗子(かんし)」を入れて治療する腹腔(ふくくう)鏡手術。腹の中に見立てた場所にミカンが置かれ、3人1組になって鉗子でミカンの皮をむくうまさを競った。

 3人のうち2人が鉗子を持ち、1人は〝腹〟の中の様子を映し出すスコープカメラ。モニターに映ったカメラ映像を見ながら、鉗子を持った主治医役と介助医役の2人が5分の制限時間内でミカンの皮をむいていく。主治医役の生徒の「手術を始めます」の言葉で手術開始となる。

 初めての体験で見事に鉗子を操り、5分でミカン一個丸ごと皮をむくことができた三重高校3年の三井うららさんと、松阪高校3年の西尾友里さんは、この日が初対面なのに息もぴったり。申し合わせたわけでもなく、自然と役割分担が決まり、主治医役の西尾さんがミカンを押さえ、介助医役の三井さんが皮をむいていった。「距離感が難しかったけど、しっかり押さえてもらっていたので。チームワークが大切だと感じました」と三井さん。西尾さんも「協力するのが大切だと思った」と話していた。