レーザーで動脈硬化治療 高岡みなみハートセンターが新機器導入血流を改善、安全性高く

AI要約

医療法人高岡みなみハートセンターみなみの杜病院が県内初めて導入した「エキシマレーザー」は、心臓の冠動脈内の詰まりを解消し、動脈硬化を治療する特殊なレーザー光で、従来の手法よりも安全性が高い。

エキシマレーザーは、冠動脈内に挿入されたカテーテルを用いて、血管内の血栓や組織を破壊し、血流の改善を図る。国内では高度先進医療として認可されており、狭心症や心筋梗塞の早期治療に役立つ。

同病院ではこれに加えて、心臓血管ドックやローターブレーター、ショックウェーブなどの先進医療機器を導入し、治療の有効性や安全性を高めている。

レーザーで動脈硬化治療 高岡みなみハートセンターが新機器導入血流を改善、安全性高く

  ●県内初

 医療法人高岡みなみハートセンターみなみの杜病院(高岡市)は5日までに、特殊なレーザー光で心臓の冠動脈内などの詰まりを解消し、動脈硬化を治療する新機器「エキシマレーザー」を県内で初めて導入した。レーザーの力で血管内に蓄積した血栓や動脈硬化を引き起こす組織を除去し、血流を改善させる仕組みで、これまでの手法に比べて安全性が高い。

 動脈硬化を起こして狭くなった冠動脈内に直径約1~2ミリの細長い管(カテーテル)を挿入する。先端部から紫外線波長のレーザー光を照射して血管に詰まった組織の分子結合を破壊するのに加え、音波や気泡を発生させることで除去する。

 国内では、2001年に高度先進医療として認可され、12年に保険適用の治療となった。従来は狭くなった冠動脈内でバルーン(風船)を拡張し、血管を広げることで血液の通り道を確保する手法だった。

 同病院は19年、県内初となる「心臓血管ドック」を開設した。「冠動脈CT」などを駆使し、狭心症、心筋梗塞の早期発見、早期治療に努めている。冠動脈石灰化に威力を発揮する「ローターブレーター」、「ショックウェーブ」など先進医療機器を導入し、治療の有効性や安全性を高めている。

 今回導入したエキシマレーザーについて平瀬裕章理事長は「これまで治療が困難だった血栓性病変や、血管内にステント(金網状の器具)を置いた後に動脈硬化を再発した患者に対する治療の選択肢が増え、より有効で安全な治療が促進される」と話している。