飲食店員ら4人に感謝状 市消防本部 喉詰まらせた男性に救命処置【山口】

AI要約

山口市消防本部は、焼肉みほり峠山口店で食べ物を喉に詰まらせた男性を救命し、4人に感謝状を贈った。

的場春花さん、宮本和貴さん、藤井俊年さん、森永康治さんが男性に救命処置を施し、胸骨圧迫で意識を回復させた。

贈呈式で消防長は模範的な事例として感謝状を手渡し、救命の連鎖を称賛した。

飲食店員ら4人に感謝状 市消防本部 喉詰まらせた男性に救命処置【山口】

 山口市消防本部(酒井健消防長)は11日、吉敷中東の焼肉みほり峠山口店で、食べ物を喉に詰まらせた72歳の男性に救命処置を施し人命救助に貢献したとして、同店従業員の的場春花さん(30)と宮本和貴さん(49)、来店していた放射線技師の藤井俊年さん(52)=萩市=、会社員の森永康治さん(46)=山口市湯田温泉6丁目=に感謝状を贈った。

 6月6日午後1時57分ごろ、妻と来店していた男性が食事中に喉を詰まらせ倒れた。すぐに的場さんが状況を確認し、119番通報とAED(自動体外式除細動器)の調達に動いた。近くの席で別々に食事をしていた藤井さんと森永さんが異変に気付き、背中をたたいて吐き出させようとしたが奏功せず、駆け付けた宮本さんと共に腹部突き上げ法を試みた。

 懸命の処置も状況は変わらず、消防からの指示に従って交代で胸骨圧迫を続けた。通報から9分後に到着した救急隊の処置で男性は意識を回復。病院到着時には話せるようになり、現在は退院し体調も良好という。胸骨圧迫を続けたことが救命に大きく貢献したという。

 市消防本部で開かれた贈呈式には3人が出席。酒井消防長は「救命の連鎖が途切れることなく実施されたことで尊い命が救われた。模範的な事例として周知したい」と述べ、それぞれに感謝状を手渡した。

 プライベートでの救急事案は初めてだった藤井さんは「回復したと聞き、非常に安堵(あんど)している」と話した。6年前に職場で救命講習を受けた森永さんは「習った通りできたか不安だったが、退院されたと聞き安心した」と語った。防火管理講習の中で救命処置を学んだ宮本さんは「助かってよかったの一言。とっさに動けたことが奇跡」と振り返った。